投稿日:2021/12/27
更新日:2024/10/01
でんきの節約術
毎日の食事やお弁当の準備に大活躍の電子レンジ。
ごはんや肉、魚、お弁当に入れる冷凍食品の解凍、お惣菜の温めなど、現代人には欠かせない電化製品です。
いつも使うから電気料金が心配…とお悩みの方も多いでしょう。
実は、電子レンジは多くの電力を使用すると思いがちですが、他の家電と比較するとそれほど電気料金はかかっていません。
今回は、そんな電子レンジの電気料金についての話と、節約方法についてご紹介します。
電子レンジの電気料金について詳しくなれば、安心して利用できるようになるでしょう。ぜひ最後まで読んでみてください。
「我が家は大家族で、忙しい毎日に電子レンジは欠かせない!」という方には、電気を使えば使うほどお得になる電気料金プランがおすすめです。TERASELでんきなら「超TERASELでんきプラン」がピッタリ。今の電気料金よりどのくらい安くなるか、料金シミュレーションで簡単にわかります。ぜひお試しください。
なお、本記事の情報は2024年9月時点での情報になります。
最新の情報は各公式ページをご参考ください。
目次
はじめに、電子レンジの電気料金はどのくらいか計算してみましょう。
まず、電気料金の基本の計算式をご紹介します。
【電気料金の計算式】
「消費電力(kW)」×「利用時間(h)」×「電気料金単価(円/kWh)」
「消費電力」は、電子レンジを動かすのに必要な電力です。取扱説明書や製品の公式サイトで確認ができます。
「利用時間」は、電子レンジを使用する時間。単位が時間(h)なので、3分の場合は0.05時間となります。
「電気料金単価」は、1時間の電力量に対する電気料金の単価のこと。ご契約の電力会社や料金プランによってわずかに差があります。モデルケースで計算するときは、標準の目安単価として「31円/kWh」が使われることが一般的です。(※)
参考:全国家庭電気製品公正取引協議会.「よくある質問 Q&A」.
https://www.eftc.or.jp/qa/# ,(2024-09-02).
では実際に電子レンジの電気料金を計算してみましょう。
パナソニックの「スチームオーブンレンジ NE-BS808」を例に挙げます。(※)
食品の温めに電子レンジ機能を600Wで3分使用したとします。
【計算式】「600W(0.6kW)」×「3分(0.05h)」×「31円/kWh」=「0.93円」
電気料金は0.93円でした。ただし、600Wというのは庫内を温めるための電力「定格高周波出力」であり、実際は冷却ファンなど全体を作動させるためにより多くの電力が必要になります。
参考:Panasonic.「スチームオーブンレンジ NE-BS808仕様」.
https://panasonic.jp/range/p-db/NE-BS808_spec.html ,(2024-09-02).
電子レンジには500Wや600Wがありますが、冷凍食品の表示を見ると、それぞれの出力で温める時間が記載されています。では両方の電気料金に違いはあるのでしょうか?具体例で計算してみましょう。
お弁当に大活躍の冷凍唐揚げ、ニチレイの「特からⓇ」の設定時間は、以下ように記載があります。(※)
▷500W:1個 1分10秒/2個 1分40秒/4個 2分30秒/8個 4分10秒
▷600W:1個 1分/2個 1分20秒/4個 2分10秒/8個 3分40秒
参考:ニチレイフーズ.「特からⓇ」.
https://www.nichireifoods.co.jp/product/detail/sho_id148/ ,(2024-09-02).
4個を温める場合、500Wと600Wの電気料金の計算は以下のようになります。
600Wの方が若干電気料金はかかるようですが、ごくわずかな差という結果に。
電力が高ければ温める時間は短くて済むので、食品の特性によってワット数を使い分けるとよいでしょう。
オーブンレンジは、オーブン機能を使った調理が可能で料理の幅も広がります。お菓子作りなどを楽しむ方もいるでしょう。
先述の計算と同様に、パナソニックの「スチームオーブンレンジ NE-BS808」を例に電気料金を計算してみましょう。(※)
この製品のオーブン機能を利用したときの消費電力は1400W。クッキーを作る場合、取扱説明書によると設定時間は余熱5分と焼き時間15分で合計20分。今回はオーブンは1段のみを使用するとします。
クッキーを作るための電気料金は14.32円でした。ただし、オーブン機能についても電子レンジ機能と同様に、実際は計算された電気料金よりも少し上回るため、これはあくまでも目安として参考にしてください。
参考:Panasonic.「取扱説明書 家庭用スチームオーブンレンジ 品番NE-BS808」.
https://panasonic.jp/p-db/contents/manualdl/1428431783530.pdf ,(2024-09-02).
スチーム機能が付いた電子レンジも便利です。冷やご飯、パン、シュウマイ、ハンバーグなどの温めに大活躍。時間が経つと固くなりがちな食品でも、適度に水分を与えながら温めるため、しっとりできあがります。
先程と同様に、パナソニックの「スチームオーブンレンジ NE-BS808」を例に挙げると、この製品には「レンジ300Wスチーム(あたため)」という機能があります。(※)
冷やご飯1杯をこの機能を使って温めると、消費電力は300W、設定時間は2分30秒です。
4人家族で4杯分の温めをする場合は、「0.38円」×「4」=「1.52円」となります。スチーム機能を使うと電気料金がとても高くなってしまうことはなさそうです。
参考:Panasonic.「取扱説明書 家庭用スチームオーブンレンジ 品番NE-BS808」
https://panasonic.jp/p-db/contents/manualdl/1428431783530.pdf ,(2024-09-02).
続いて、同じ調理ができる他の電化製品と電子レンジの電気料金を比較してみましょう。
電気ケトルと電子レンジで、コップ1杯(140ml)の水を沸かす場合の電気料金を比べてみましょう。消費電力が1,250Wで、水が沸くまでに約1分かかる電気ケトルを例とします。この電機ケトルを使って水を沸かした場合の、電気料金の計算式は以下の通りです。
1,250W(1.25kW)✕1分(0.016h)✕31円/kWh=0.62円
また、600Wの電子レンジで水を1分間温めた場合の電気料金は以下のとおりです。
600W(0.6kW)✕1分(0.016h)✕31円/kWh=0.3円
電気ケトルを使うよりも電子レンジの方が安い結果となりました。
次に、炊飯器と電子レンジを比較してみます。例えば保温時の消費電力が13.7Whの炊飯器で、保温機能を2時間使った場合の電気料金は以下のとおりです。
13.7Wh(0.0137kWh)✕2 時間(2h)✕31円/kWh=0.85円
対して600Wの電子レンジで冷凍ご飯を3分間温めた場合の電気料金は、以下のようになります。
600W(0.6kW)✕3分(0.05h)✕31円/kWh=0.93円
炊飯器で2時間保温するのと、電子レンジで再加熱するのでは、炊飯器の方が電気料金が抑えられることが分かります。ただし保温時間が3時間になる場合は、炊飯器の電気料金は1.26円となるため、電子レンジで再加熱した方が経済的です。
電気スチームクッカーと電子レンジで、温野菜を調理した場合の電気料金を比べてみました。
例えば消費電力1,000Wの電気スチームクッカーで4分間調理した場合、電気料金は以下のとおりです。
1,000W(1kW)✕4分(0.06h)✕31円/kWh=1.86円
同様に600Wの電子レンジで調理した場合、以下の電気料金となります。
600W(0.6kW)✕4分(0.06h)✕31円/kWh=1.12円
温野菜を同じ時間調理する場合は、電子レンジの方が安いという結果です。ただし、それぞれW数が異なるため、実際にかかる調理時間によっては、電気スチームクッカーの方がお得なケースも考えられます。
電子レンジを使うメリットを紹介します。
電子レンジのメリットの1つが、調理時間を短くできることです。
焼いたり茹でたりするのとは異なり、電子レンジでは、食材が持つ水分を利用して内側から温めます。陶器やガラス製の容器には水分が含まれておらず、食材だけを効率的に温めることが可能です。
調理時間を短縮できるので、野菜を下茹でする際にも電子レンジが役立ちます。
電子レンジを使った調理では食材の水分を利用するため、フライパンや鍋を使う際とは異なり、大量の油を使う必要がありません。焼く、煮るなどの基本的な調理と比べて使用する油の量を減らすことができ、カロリーカットにつながります。
また揚げ物でも食材に油を塗るだけで仕上げられるので、体型やカロリーの高い食事が気になる方におすすめです。
電子レンジを使った料理は火を通す時間が短くて済むため、栄養素を壊さずに調理が可能です。特にビタミンは長時間の加熱に弱く、茹でた場合は水に栄養素が溶け出してしまいます。しかし電子レンジを使えば、水に溶け出すビタミンが少なくなります。
健康に気を使っている方にとって、大きなメリットといえるでしょう。
電子レンジを使った調理に特別な道具は必要ありません。耐熱容器があれば、誰でも簡単に調理ができます。通常の調理と比べて、後片付けも楽になるはずです。
また電子レンジ調理は火を使わないため、火事ややけどの心配が少なく、比較的安全に調理ができる点も特徴的です。
ここからは、電子レンジの電気料金を少しでも節約する方法をご紹介します。電気料金を節約することは省エネに繋がるため、環境にもやさしいというメリットも。
肉や魚、炊いたご飯を冷凍して、使う時に電子レンジで解凍することは多いでしょう。その場合は自然解凍が進むように、あらかじめ冷蔵庫に移すか常温に置いておくと良いでしょう。電子レンジの利用時間の短縮になる上に、ムラなく解凍ができます。
食品の置き方のコツを知っておくと、ムラなく温められます。お弁当1点のときなどは庫内の中心に置き、小分けのものが複数のときは、等間隔に置きましょう。
電子レンジの電波は、大体の場合、庫内の上部から放出されます。側面や底面からも電波が放出されている機種もありますので、電子レンジの性質に合わせて置き方を工夫しましょう。
大きなものや量が多いものは、電子レンジで温まりにくく時間がかかってしまいます。また、厚みや容量があるものは、内側まで熱が伝わる前に外側が温まりすぎてしまうことも。
肉や魚、ご飯などを冷凍保存するときは、なるべく小分けにすると解凍しやすいです。さらにカレーは冷凍用保存袋に入れて平たい場所で冷凍したり、冷凍パンはスライスして1枚ずつに分けて冷凍したりして、均一に熱が伝わるようにするのもポイントです。
電子レンジの庫内を汚れたまま使い続けると、熱効率に影響がでることも。また汚れたまま放置すれば、においやカビの原因にもなってしまうため、電子レンジの庫内はきれいに保ちたいものです。
特に庫内が黒や濃いグレーに近い色の場合は、汚れが目立ちにくいので掃除もつい忘れがち。詳しいお手入れ方法は、お使いの電子レンジのメーカー各社の公式サイトや、購入時の取扱説明書で確認するようにしましょう。
電子レンジ以外にもキッチンでは多くの電化製品が大活躍。どれも日々の生活に欠かせないものばかりで使用頻度も多くなりますが、省エネを心掛けると電気料金の節約になります。それでは、代表的なキッチン家電の節約方法を順番に紹介していきましょう。
冷蔵庫は特に夏場の電気料金が気になるところです。冷蔵庫の電気料金を節約コツは、まず開ける時間を短くして庫内の温度を上げないようにすること。扉の開閉は素早く行いましょう。
庫内に食品や調味料などを詰め込みすぎないことも大切です。冷気が回らず冷却効率が落ちてしまいます。たくさん詰めすぎると奥から取り出す際に、扉を開けておく時間が長くなるため冷気が逃げてしまう原因にも。一方、冷凍庫の場合は冷凍食品などをたくさん詰めたほうが、かえって冷却効率が良くなります。
また、炊いたご飯や作り置きのおかずなどを冷蔵庫や冷凍庫で保存するときは、熱を冷ましてから庫内に入れるようにしましょう。庫内の温度上昇を防ぐことができ省エネになります。
冷蔵庫の設定温度や置く位置によっても電気料金が変わります。設定温度「強」を「中」に変えるだけでも節約に役立ちます。そして冷蔵庫を置く位置は、取扱説明書などに記載されている上部と背面、左右の間隔を適切に保つことも大切なポイントです。
お米を主食とする日本人にとって、炊飯器は欠かせない電化製品のひとつ。炊きあがったご飯をいつでも食べられるように、つい長時間保温してしまいがちです。ところが電気料金を考えると、長時間保温するよりも、電子レンジで温め直す方が節約になります。経済産業省のWebサイトによると、「3合分のご飯を炊き、半分の1.5合を食べて1.5合が残り、4時間以上保温する場合、保温するよりも温め直す方が省エネになる」そうです。(※)
そして、もし食事の時間がわかっている場合は、予約タイマー機能を使いましょう。保温時間がほぼ不要な上に炊き立てを味わえます。
また、使用していない時は電源プラグを抜いておくことで待機電力の節約になります。
参考:経済産業省 資源エネルギー庁.「 家庭向け省エネ関連情報 無理のない省エネ節約」.
https://www.enecho.meti.go.jp/category/saving_and_new/saving/general/howto/kitchen/index.html#4 ,(2024-09-03).
いつでも高い温度のお湯が使える電気ポット。コーヒーやお茶、カップラーメンなどをすぐに作ることができて重宝します。赤ちゃんがいるご家庭では、ミルクを素早く作れるため欠かせない存在でしょう。
電気ポットの電気料金を節約するには、保温設定は低めの温度を選び使う時に再沸騰させること。長時間使わない時は、電源プラグを抜いておくことも忘れずに。
もし新しく電気ポットを購入する場合は、断熱効果が強化されている製品を選ぶと良いでしょう。
電気ケトルは、短時間で必要な分だけお湯を沸かせる便利な電化製品です。その特性から使っていない時間は比較的長いでしょう。有効な節約方法は、使用していない時に電源プラグを抜いて待機電力を抑えること。ただ電源プラグの抜き差しが頻繁に発生するため、ONとOFFの切り替えができる「省エネタップ」と言われるタイプのコンセントを利用すると便利です。
IHクッキングヒーターはビルトイン型と据置型があります。2000年に差し掛かった頃から東日本大震災の前年頃まで年々普及が拡大し、今や定番の調理器具となっています。火を使わないため小さな子どもがいるご家庭でも安心して使えますが、煮込み料理など長時間の利用は電気料金が心配なところ。特にビルトイン型の場合、メインで使用することになりますので、利用状況に合った料金プランを選ぶことが大切です。電気料金が安くなる時間帯に調理をしておいたり、圧力鍋などの時短ができる調理器具を使ったりすると、通常利用時よりも電気料金を安く抑えることができます。
忙しい主婦の方にとって、食事の片付けは解放されたい家事のひとつでしょう。食器洗い乾燥機は、ロボット掃除機、洗濯乾燥機と並ぶ新三種の神器。面倒な食器洗いから解放されるとあって、毎食後に食器洗い乾燥機を使うご家庭も多いのでは。そんな食器洗い乾燥機の電気料金を少しでも節約したい場合は、洗浄が終了した後に扉を開けて、余熱で乾燥させる方法があります。食器洗い乾燥機は手洗いよりも洗浄温度が高いため乾く時間が短いのです。また少量であれば、2回分をまとめ洗いするという手もあります。汚れた食器を庫内に入れておいても臭いなどを抑えてくれる機能がある機種なら、安心して庫内に置いておけます。
日々の食事やお弁当の準備や片付けに、キッチン家電は欠かせない存在になりました。また忙しい毎日において家中の家事をこなすためにも、やはり電化製品の力を大いに活用したいものです。節電や省エネは余裕がある時に心掛けるようにし、無理なく快適な生活を送りましょう。
これまでご紹介した電子レンジをはじめとしたキッチン家電など、電気をたくさん使うご家庭や、世帯人数が多いご家庭の場合は、生活スタイルに合った電気料金のプランを選ぶのがおすすめです。
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