投稿日:2022/01/20
更新日:2022/01/20
でんきの節約術
乾燥機は、特に雨の日が続く梅雨の時期に活躍する電化製品です。
野外に洗濯物を干すことができない場合は室内に干す方法しかありませんが、そもそも室内にそのようなスペースがないことも多く、乾燥機でカラッと衣類を乾かすことができるのは、非常に便利なことです。
この記事をお読みの方の中にも、乾燥機を日頃から使っているという方もいらっしゃるのではないでしょうか。
しかし、気になるのは乾燥機の電気料金ですよね。
乾燥機はヒーター式のものとヒートポンプ式のものがありますが、結論、ヒートポンプ式の乾燥機のほうが電気料金が安くなる傾向にあります。
今回の記事では、洗濯乾燥機のタイプや乾燥方式別の電気料金に詳しく触れるほか、浴室乾燥機の電気料金についてもご紹介いたします。
乾燥機の電気料金が気になる方は、ぜひ参考になさってください。
なお、本記事の情報は2021年9月時点での情報になります。
最新の情報は各公式ページをご参考ください。
目次
乾燥機と言われてパッと思いつくのは、洗濯機の乾燥機能ではないでしょうか。
乾燥機能つきの洗濯機には、3つのタイプが存在します。
まずは、その3つがどのようなものなのか、各々確認していきましょう。
縦型ヒーター式の洗濯機は、洗濯槽に水を貯め、水流を起こして洗うタイプの洗濯機です。
衣類同士を擦り合わせて洗うため、頑固な汚れが落ちやすいのが特徴となっています。
ただし、このタイプの乾燥機能は、ドラム式洗濯機に劣る場合がほとんど。
高温ヒーターで乾燥させるため電気料金が高くなる傾向にある上、衣類が縦に重なり合っている状態で乾燥させるため、衣類の量によってはほとんど乾かないこともあります。
また、シワもつきやすくなるため、乾燥機として使うのにはイマイチであるタイプです。
ドラム型ヒーター式の洗濯機は、縦型の洗濯機よりも少ない水で洗いあげることができるため、節水に繋がるとして、昨今人気を博しています。
乾燥機としての性能も良いものが多いのが特徴です。
ドラム型ヒーター式洗濯機の場合、洗濯槽の中で衣類が浮かび上がらせ下に落とす、という作業を繰り返す構造であり、衣類と衣類の間に隙間ができます。
隙間ができるということは温風が当たりやすくなるということなので、こちらのタイプの洗濯機は、乾燥機としての機能が高いのです。
ドラム型ヒートポンプ式洗濯機は、その名の通り、ヒートポンプ技術で衣類を乾燥させるため、乾燥機としての機能も十分です。
ちなみにヒートポンプとは、少ない投入エネルギーで空気中から熱を集め、大きな熱エネルギーとして利用する技術。
低い温度で乾燥を行うため、衣類の傷みや縮みが少ないのも特徴です。
ここまで、乾燥機能つき洗濯機のタイプをご紹介してまいりましたが、「ヒーター式」と「ヒートポンプ式」という言葉が出てきました。
この「ヒーター式」と「ヒートポンプ式」は、各々具体的にどういった乾燥方法なのでしょうか。
ヒーター式乾燥は、乾燥機能つき洗濯機で昔から採用されてきた仕組みです。
ヒーターで熱した高温の風を送りこみ、衣類を乾燥させます。
ヒーター式をわかりやすく例えるなら、ドライヤーのようなもの。
洗濯機の形状にもよりますが、カラッとした仕上がりが特徴です。
乾燥機能の新しいタイプとして世間に広まりつつあるのが、ヒートポンプ式乾燥です。
大気中から熱を集めて活用する仕組みのことで、少ない電力で効率的に熱エネルギーを得られるため、エコ技術として注目されています。
洗濯槽に送りこむ温風が、ヒーター式乾燥が80℃前後であるのに対して、ヒートポンプ式乾燥は60℃~65℃であるため、衣類の傷みを抑えることもできるのです。
洗濯乾燥機の乾燥方式について詳しく把握できたところで、気になるのはその電気料金です。
実際、「ヒーター式」の乾燥機と、「ヒートポンプ式」の乾燥機とでは、どちらのほうが電気料金がお得になるのでしょうか。
結論からお伝えすると、「ヒートポンプ式」の乾燥機のほうが、電気料金がお得になると言えます。
まず、縦型ヒーター式の洗濯機で乾燥させた場合の電気料金を確認してみましょう。
前提として、27円/kWhという電気料金単価に基づいて計算します。
洗濯乾燥時の消費電力量が約1,980Whの、日立のBW-DX120Gの場合です。(※1)
計算しやすいよう、1,980Whは1.96kWに換算し、電気料金単価27円/kWhをかけると、洗濯乾燥料金は1.96kW×27円/kWh=52.9円となります。
一方、ドラム型ヒートポンプ式の洗濯機での洗濯乾燥時の消費電力量は約1,590Whで、これは同じく日立のBD-STX110GLの場合です。(※2)
こちらもkWに換算して、1.59kW×27円/kWh=42.9円となります。
こうして具体的な数字で比較すると、ヒートポンプ方式を採用しているドラム型の洗濯乾燥機のほうが電気料金が安いです。
1出典:タテ型洗濯乾燥機 BW-DX120G|HITACHI
https://kadenfan.hitachi.co.jp/wash/lineup/bw-dx120g/spec.html
2出典:ドラム式洗濯乾燥機 BD-STX110GL
https://kadenfan.hitachi.co.jp/wash/lineup/bd-stx110g/spec.html
洗濯乾燥機同士で比較した場合、ヒーター式よりもヒートポンプ式のほうがお得であることがわかりました。
では、「乾燥機」と聞いてもうひとつ思い浮かぶ「浴室乾燥機」はどうでしょうか。
例えば日立のHBK-1250STの場合を例に計算してみましょう。(※1)
50Hzの製品の場合、消費電力は1,250Wとなっています。
計算しやすいようにkWに変換すると1.25kWとなり、
1.25kW×27円/kWh=33.8円です。
ちなみに浴室乾燥機の稼働時間の目安は約2~4時間。(※2)
間をとって3時間稼働で計算すると、
1.25kW×27円/kWh×3h=101.25円となります。
ヒートポンプ式洗濯乾燥機の場合、BD-STX110GLを例に挙げると稼働時間は「洗濯(標準コース)」が33分、「洗濯~乾燥(標準コース)」が132分となっており、132分から33分を引いた99分が乾燥での稼働時間になります。(※3)
99分稼働した場合の計算は、
1.59kW×27円/kWh×1.65h=70.8345円
です。
メーカーや製品、稼働時間によって異なりますが、今回比較した製品だと、浴室乾燥機よりも、ヒートポンプ式洗濯乾燥機のほうが安いという結果になりました。
ただし、各々メリット・デメリットがありますので、次の項目からご紹介していきます。
1出典:浴室乾燥暖房機 天井埋込タイプ(特定保守製品)(HBK-1250ST)|HITACHI
https://kadenfan.hitachi.co.jp/support/bathroom/item/HBK-1250ST/index.html
2出典:暖房換気乾燥機で乾かすことができる洗濯物の量と乾燥時間について教えてください。(バスルームに関して)|よくあるご質問|Panasonic
https://jpn.faq.panasonic.com/app/answers/detail/a_id/89737/
3出典:ドラム式洗濯乾燥機 BD-STX110GL
https://kadenfan.hitachi.co.jp/wash/lineup/bd-stx110g/spec.html
洗濯乾燥機の場合、干す手間がないのはメリットでしょう。
浴室乾燥機の場合は、一旦洗濯機から衣類を取り出し、ハンガーなどにかけてから乾燥する必要がありますが、洗濯乾燥機の場合は、そのまま洗濯槽の中で乾燥を行ってくれるため、忙しい方にはおすすめです。
また、洗濯乾燥機の場合は、干すスペースを確保しなくて良いところも、メリットと言えるでしょう。
狭小住宅の場合は、浴室が狭いのはもちろんですが、そもそも部屋に物干しざおをかけるスペースがない場合も多いです。
雨の日の洗濯に困ってしまうことも少なくないため、洗濯槽の中で乾燥まで完結してくれる洗濯乾燥機は、重宝するでしょう。
逆に、洗濯乾燥機のデメリットとして挙げられるのは、「シワになりやすい」という点。
ドラム型の洗濯乾燥機であればあまり心配はいりませんが、縦型の洗濯乾燥機の場合、シワになってしまいやすいです。
シワを気にするのであれば、浴室乾燥機を選択したほうが良いでしょう。
また、洗濯乾燥機は、衣類によって乾燥機能が使えない場合もあります。
衣類の素材の中には、乾燥機の使用がNGとされているものも少なくありません。
そのため、はじめて洗濯機に入れる衣類は、タグについている洗濯表示をよく確認し、洗濯乾燥機に対応しているかをチェックしてください。
浴室乾燥機の最大のメリットは、「シワになりにくい」という点。
洗濯機から出した衣類をハンガーやピンチなどを使って干すため、一つひとつ形を整えて干せば、アイロンをかけなくても十分着られるほど綺麗に乾かすこともできます。
また、浴室の広さにもよりますが、多くの場合、選択洗濯機よりも多くの衣類を乾かすことができます。
自立型の物干しを使用したりすれば、浴室の洗い場まで有効活用でき、より多くの洗濯物を乾かすことができるでしょう。
浴室乾燥機では、多くの洗濯物を干せるメリットをお伝えいたしました。
ただ、浴室乾燥機の場合は温風の吹き出し口付近ははやく乾きますが、吹き出し口から距離があると乾きにくくなります。
長時間乾ききらない状態が続くと、生乾き臭の原因にもなるため、衣類と衣類の間隔をある程度あけ、温風が行き渡るようにしなければなりません。
また、浴室乾燥機の場合、当然ですが、干す手間が発生します。
洗濯機から取り出した衣類を一つひとつハンガーにかけなければいけないため、忙しい方には向いていないでしょう。
洗濯乾燥機や浴室乾燥機は家事の手間を減らせたり、洗濯物を短時間で乾かすことができたりする便利な電化製品です。
しかし、当然屋外で自然乾燥させた時よりは電気料金がかさんでしまうため、うまく使用しきれていない方もいらっしゃるでしょう。
ここからは、乾燥機をできるだけ節電しながら活用するコツをご紹介いたします。
乾燥機を使用する時は、乾燥させる衣類の量を調整することが大切です。
乾燥させる衣類を増やせば増やすほど、乾くまでに時間がかかり、電気料金も跳ね上がってしまいます。
また、生乾きになったり、シワがついたりする可能性があるデメリットも生じるため、例えば洗濯乾燥機の場合は規定の量を守りましょう。
オール電化住宅などでよく導入されているプランの中には、夜間の電気料金が安くなるプランもあります。
そういった場合は、日中ではなく、夜間に集中して乾燥させると、電気料金の節約に繋がるのでおすすめです。
乾燥時間は3時間~4時間要することが多いため、夜、寝ている間に乾燥まで終わらせておくと、翌朝の家事効率もアップするでしょう。
十分に脱水することも、電気料金を抑えるためのコツです。
洗濯物の量に対して十分な脱水を行わなかった場合、想定よりも乾燥に時間がかかってしまうことがあります。
乾燥機の稼働時間が増えれば、もちろん電気料金もアップ。
効率的に乾かすために、脱水は適切に行いましょう。
浴室乾燥機の場合は、サーキュレーターを併用すると、吹き出し口から出た温風を循環させることができ、衣類を乾きやすくすることができます。
熱い空気を効率的に循環させることができるため、浴室乾燥機の運転時間が普段よりも短く済み、電気料金の削減に繋げることができます。
実は、洗濯乾燥機の中には、5℃~35℃程度の中での使用を推奨している製品もあります。
こうした洗濯乾燥機の場合、決められた室温の中で稼働しなければ、乾燥効率が下がることも。
室内であれば規定の温度から外れることはあまりないかと思いますが、例えば洗濯機置き場がベランダにあるタイプの住居である場合は注意が必要になります。
特に浴室乾燥機の場合、フィルターの掃除をしないでいると、乾燥機能の効率低下に繋がります。
一見面倒に見えますが、フィルターを外し、表面のホコリを掃除機で吸ったあとに水洗いして乾かすだけです。
2週間に1回の頻度を目安として、定期的にフィルターを掃除するように心がけてください。
電力会社やプランの変更も、節電に大きな効果をもたらす方法に挙がります。
今よりも電気料金の安い電力会社であれば、電化製品にかかる電気料金を抑えることができるでしょう。
電力会社によって価格やプランのラインアップはさまざまであるため、まずは気になる電力会社のWebサイトで料金のシミレーションをしてみると良いかもしれません。
また、ひとつの電力会社だけではなく、複数の電力会社でシミレーションを行い、比較検討することで、ご家庭に最適な電力会社やプランが見えてきます。
乾燥機は、屋外に洗濯物を干せない時期に大活躍します。
ただし、梅雨の時期など、頻繁に使用する場合は、電気料金が気になってしまうのは当然です。
そのため、今回ご紹介したように、サーキュレーターを併用したり、十分に脱水したりといった工夫が必要になります。
また、現在契約している電気料金プランや、そもそも電力会社を見直すことも、ご家庭の電気料金を抑えることに貢献するでしょう。
電力小売自由化以降、新電力を扱う電力会社が増えており、従来のプランよりも電気料金がグッとお得になるプランを用意しているところも多いです。
もしもご家庭で使う電力が多いのであれば、たくさん使う方ほどお得になる「超TERASELでんきプラン」がおすすめ。
ひと月のお得額は、従来の電気料金と比べて4~5人世帯の場合、約1,108円。(※)
ご家庭での電気料金を抑えたい、見直したいとお考えの方は、ぜひ、「超TERASELでんきプラン」で実際にどのくらいお得になるのかシミレーションしてみてください。
関連記事
人気の検索キーワード