【2023年5月最新】エコキュートの電気代24,000円は高い?原因と節約方法について徹底解説

投稿日:2021/12/27

更新日:2023/05/08

でんきの節目

ご家庭で使われるエネルギーの3割は給湯であることをご存じでしたか?給湯にかかる電気料金を抑えられれば、電気料金を削減できます。

給湯の電気料金を低減するのに効果が高いとされる給湯器が、エコキュートです。

この記事では、エコキュートの仕組みやメリット、実際にかかる電気料金、電気料金節約のポイントなどをご紹介します。エコキュートであればどう節電につなげられるのか興味がある人は必読です!

なお、本記事の情報は2023年5月時点での情報になります。
最新の情報は各公式ページをご参考ください。

この記事を書いた人

野中 康平
野中 康平マーケティング室 室長
大学在学中、発展途上国でのボランティア活動がきっかけで
伊藤忠エネクスに入社。
入社後は一貫して電力ビジネスに携わり、電力ビジネス領域における大規模システム構築を実現。
電力のスペシャリストとして電力ビジネスの拡大に尽力している。
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エコキュートの仕組み

エコキュートは「ヒートポンプユニット」と「直湯ユニット」の2つで構成されています。

ヒートポンプユニットでは、外の大気を取り込んで得た熱を、自然触媒の二酸化炭素に吸収。この二酸化炭素を圧縮して高温にし、その熱を利用して水を沸かしています。温められたお湯は直湯ユニットに貯められ、ご家庭内で利用されます。

この仕組みにより、空気の温度が高い夏場ならその熱を多く利用でき、温度維持にかかる消費電力も少なくて済むためが下がります。一方、大気中の温度が低い冬場は利用できる熱が少なくなるため、そのぶん消費電力も増えが高くなるのです。

エコキュートを使用する2つのメリット

エコキュートを使用すると、次の2つのメリットが得られます。

1つは、ガス給湯器に比べて光熱費が安く抑えられる点。空気の熱を利用してお湯を沸かすため、電気料金が少なくて済みます。

もう1つは、ガス給湯器に比べてCO2排出量が少ない点です。自然触媒にCO2を利用してCO2排出量を削減でき、地球温暖化を防止する効果もあります。

以上2つのポイントは、以下でもう少し詳しく解説します。

ガス給湯器に比べて光熱費が安い

ガス給湯器は、ガスを燃焼させて発生した熱により水を沸かします。給湯器そのものを動かすには電気を使用しています。現在のガス給湯器は瞬間湯沸かし式が主流のため、水道の蛇口をひねるたびにガスと電気が消費される仕組みです。

一方のエコキュートでは、電気も使用しつつ空気の熱を利用してお湯を作るという高効率化により、電力使用量が大幅にダウンします。日中よりも割安な夜間電力を使用して貯めたお湯を日中生活用水として利用します。いわば少ない消費電力でお湯を作れるのがエコキュートのメリットです。

同じ水量で考えると、ガス給湯器よりも省エネの仕組みであるエコキュートの方が、必然的に全体の光熱費はかなり安く抑えられます。

出典:ダイキンエコキュート
https://www.daikinaircon.com/sumai/alldenka/ecocute/denki/index.html?ID=sumai_alldenka_ecocute_https://totsugekitai.com/media/ecocute210207.html
出典:中部電力カミライズ
https://miraiz.chuden.co.jp/home/electrify/cost/index.html

ガス給湯器に比べてCO2排出量が少ない

ガス給湯器はお湯を沸かす際にガスを燃焼させるので、そのたびにCO2が発生します。さらに、現在の主流である瞬間湯沸かし式の場合、水道の蛇口をひねるたびにガスが燃焼するため、都度CO2が発生します。

一方のエコキュートは、ヒートポンプ方式により電気も使用しつつ熱を吸収するCO2の性質を利用します。低温のCO2を自然冷媒として空気中の熱を吸収し、それを圧縮してさらに高温化。その熱を利用してお湯を沸かします。冷媒であるCO2を膨張させて再び低温に戻し、次なる空気中の熱を吸収するサイクルを繰り返します。この仕組みにより、CO2の排出量を低減できます。

従って、地球温暖化防止への貢献を考えると、ガスよりもエコキュートがより貢献していると言えるでしょう。

出典:ダイキンエコキュート
https://www.daikinaircon.com/sumai/alldenka/ecocute/denki/index.html?ID=sumai_alldenka_ecocute_
https://totsugekitai.com/media/ecocute210207.html
出典:ヒートアイランド現象による環境影響などに関する調査 P3
https://www.env.go.jp/air/report/h22-05/03-1.pdf

エコキュートの電気代はいくら?

実際、エコキュートの電気料金はどれくらいになるのでしょうか。電気料金は、契約している電気料金プランや居住地、使用する時間帯、使用している機器の効率などによっても変わります。

そこでパナソニックが公開しているデータ(HE-JPU37KQSに基づく)をもとに、1時間あたり・1日あたり・1カ月あたり・1年あたりのエコキュートの電気料金を1つひとつみていきます。

なお理由については後述しますが、ランニングコストは地域によって大きな差が出るので、ここでは参考例として、北海道地域(コストが最も高い)、東京地域、関西地域、九州地域、沖縄地域(コストが最も安い)の5地域に絞ってみていきます。お住まいの地域でのエコキュートに要する電力を調べる際の参考にしてください。

出典:パナソニックによる地域別のランニングコストの比較
https://sumai.panasonic.jp/hp/2point/2_3.html

1時間あたりの電気代

実は、エコキュートは24時間稼働しているものではなく、夜間に加温、昼間に保温する機械。消費電力はそのときどきでまちまち。

その背景も踏まえて、エコキュートを利用した給湯に要する3時間あたりの電気代(*1カ月=30日、1日=3時間程度の稼働で算出)は、5地域で以下のとおりです。

▼エコキュート3時間あたりの電気代目安(エリア別)

  • 東京電力エナジーパートナーエリア:約25.2円
  • 北海道電力エリア:約34.2円
  • 関西電力エリア:約21.6円
  • 九州電力エリア:約18.9円
  • 沖縄電力エリア:約11.7円

エコキュートの電気代は3時間あたり約11〜35円と、地域差により大きな幅があります。電気代は24時間を通しても変動するため、1日のうちで、いつエコキュートを使用するかによっても、3時間あたりの電気代は変化します(詳細は後述)。

1日あたりの電気代

では、1日あたりの電気代(*1カ月=30日として算出)はどれくらいでしょうか?

  • 東京電力エナジーパートナーエリア:約66.7円
  • 北海道電力エリア:約90円
  • 関西電力エリア:約56.7円
  • 九州電力エリア:約50円
  • 沖縄エリア:約30円

1日あたりの電気代は約30〜90円と、地域差により大きな幅があります。エコキュートは外気温を利用してお湯を沸かす仕組みのため、1日あたりの電気代はその日の気温にも影響されます(詳細は後述)。気温が高い日なら電気代は安く、気温が低い日は電気代も安くなる傾向があります。

1カ月あたりの電気代

1か月あたりでは、電気代は地域ごとに以下のとおりです。

  • 東京電力エナジーパートナーエリア:約2,000円
  • 北海道電力エリア:約2,700円
  • 関西電力エリア:約1,700円
  • 九州電力エリア:約1,500円
  • 沖縄電力エリア:約900円

1か月あたりの電気代は約900〜2,700円の幅と地域差は、より地域差が明確に実感できます。エコキュートの仕組み上、1か月あたりの電気代は季節により変動し、気温が高い夏場は安く、気温が低い冬場は安くなる傾向があります(詳細は後述)。

1年あたりの電気代

年間でのランニングコスト(*1年=12カ月で算出)を見てみましょう。

  • 東京電力エナジーパートナーエリア:約24,000円
  • 北海道電力エリア:約32,400円
  • 関西電力エリア:約20,400円
  • 九州電力エリア:約18,000円
  • 沖縄電力エリア:約10,800円

1年あたりの電気代は約10,800〜32,400円の幅があり、より平均気温が高い南へ行けばいくほど、年間の電気代は安くなる傾向があります。

地域差はあるものの、電気温水器や石油給湯器、ガス給湯器と比較すると、年間のランニングコストが数分の一〜半分以下で抑えられるのは、エコキュートの大きなメリットです。

出典:パナソニックによる地域別のランニングコストの比較
https://sumai.panasonic.jp/hp/2point/2_3.html

エコキュートの電気代が時間帯によって異なる理由

エコキュートの電気料金は、1日の時間帯によって異なります。その原因を見ていきましょう。

昼間はご家庭や企業、商業施設、工場、交通機関などさまざまなものが電気を使用して機能しています。また、大半の人々は仕事や学業などで日中活動しています。そのため、日中は多くの電力が消費されることになります。

日中に消費される膨大な電力を賄うためには、火力、水力、風力、原子力などさまざまな発電所の稼働が必要です。発電所の稼働にランニングコストもかさみます。そのためエコキュートで使用する電気料金は、日中は高くなる傾向があります。これはエコキュートだけでなく、他の電気を使用する機器や設備でも同じです。

一方で、夜間は基本的にさまざま活動が休止状態に入るため、社会全体の電力消費が下がります。余った電気は使い道がないため、夜間は電気料金が下がります。従って、夜はエコキュートの電気料金も安くなります。

エコキュートの電気代はなぜ季節ごとに異なる?

エコキュートの電気料金が季節ごとに異なるのは、仕組みそのものが原因です。

エコキュートに使用されるヒートポンプ方式では、熱を吸収するCO2の性質を利用して、ヒートポンプユニットに取り込んだ外気の熱を吸収し、お湯を沸かすのにその熱を利用します。

夏場は外気の温度も上がるため、空気中からよりたくさんの熱を吸収して利用できます。さらに、貯湯タンク内の温度を低めにしておいても、湧き上がるお湯の温度を低めに設定できます。そのぶん消費電力が少なく済み、結果として電気料金も低く抑えられます。

一方、冬場は外気の温度が下がるため、空気中から得られる熱の量は夏場ほど多くはありません。十分な湯量を確保するため、貯湯タンク内の温度と湧き上がるお湯の温度と高めに設定しています。その分より多くの電力を消費することで、電気料金が上がってしまいます。

エコキュートの電気代に地域差はある?

エコキュートに要する電気料金は、地域により差が出ます。

パナソニックの調査データによると、給湯に要する1カ月あたりの平均ランニングコストは以下のとおりです。

  • 北海道電力エリア:約2,700円
  • 東北電力エリア:約1,800円
  • 北陸電力エリア:約1,700円
  • 東京電力エナジーパートナーエリア:約2,000円
  • 中部電力エリア:約2,000円
  • 関西電力エリア:約1,700円
  • 中国電力エリア:約1,900円
  • 四国電力エリア:約2,400円
  • 九州電力エリア:約1,500円
  • 沖縄電力エリア:約900円

出典:パナソニックの調査データ
https://sumai.panasonic.jp/hp/2point/2_3.html

地域ごとの比較では、冬が長く寒冷化する北海道が突出してランニングコストが高い傾向を示しています。一方、最も南に位置し、年間を通じて気温が高めの沖縄では、ランニングコストが圧倒的に低いレベルに抑えられています。

エコキュートの電気代が高くなる原因

エコキュートの電気料金が高くなる原因は以下が考えられます。

  • 日中の沸き増し設定をしている:電気料金が高い日中に頻繁に湧きましを行っている状況です。
  • エコキュートの節約機能を使っていない:エコキュートに備わっているさまざまな節約機能が十分に利用されていません。
  • 電気料金プランが適切ではない:深夜電力を利用した電気料金プランに、生活パターンがマッチしていない状況です。

それぞれの原因ごとに詳しく見ていきましょう。

日中の沸き増し設定をしている

前述のとおり、夜間は電気料金が安くなる傾向があります。そのため、一般的なエコキュートは、より安価な夜間電力を利用して、日中に使用するためのお湯を沸かして貯湯タンクに貯めておくことで、ランニングコストを抑えています。そのぶん、日中の電気料金は高く設定されています。

ところが、貯めておいたお湯を日中のうちに使い切ってしまった場合、さらなる補充が必要です。湧き増し設定が自動化されている場合、日中よりも2~3倍も料金が高い電力を消費してお湯を沸かします。結果、普段よりも数倍高いコストが発生してしまいます。

せっかく深夜電力を使用してコストを安く抑えるエコキュートのメリットが活かされない状況となるのです。

エコキュートの節約機能を使っていない

エコキュートにはさまざまな節約機能が備わっていますが、うまく活用しないと電気料金が上がる原因となります。以下は代表的な節約機能です。

  • ピークカット機能:電気料金が高い時間帯を把握し、その時間帯での自動湯増し運転を回避して、節電する機能です。
  • 沸きあげ時間シフト機能:電気使用料が増える朝方より早めに運転を行い、夜間電力での沸き上げを終わらせることで、ピークを抑制する機能です。
  • パワーセーブ機能:お湯の沸き上がりに時間をかけて、ヒートポンプの消費電力を抑えてピークを抑制して、契約容量を抑制します。
  • ソーラーチャージ機能:夜間に沸き上げ量を減らし、むしろ日中の太陽光発電の余剰電力を利用して沸き上げる方へ分散させます。

電気料金プランが適切ではない

現在設定されている電気料金プランが、生活スタイルにマッチしていないため、電気料金が高額になっている可能性があります。

一般的に、エコキュートを設置する場合は、電気料金が安価になる深夜帯の電力を利用した料金プランを設定しています。この場合、深夜帯は電気料金が安くなる代わりに、日中に使用する電気料金は倍以上高くなります。

よって、通常の一般家庭のような夜間ではなく日中に自宅で過ごすパターンが多い場合は、エコキュートを含め日中の電気消費量が上がります。結果、電気料金が高騰してしまうのです。

安かろうと思って設定した料金プランがかえって節約の足を引っ張ることになるため、より今のライフスタイルに合った料金プランへの切り替えが必要です。

エコキュートの電気代を節約する4つの方法

エコキュートに要する電気料金を節約するには、いくつかの法方があります。

  • 日中の沸き増しを減らす
  • エコキュートの節約機能を上手に使う
  • 生活スタイルを見直してみる
  • 電気料金プランを見直す

それぞれの対応方法ごとに、詳しく見てみましょう。

日中の沸き増しを減らす

電気料金の節約には、日中の沸き増しを減らすのが重要です。前述のとおり、夜間電力を活用した料金設定の場合、日中に給湯器を使用していてお湯が切れ自動沸き増し機能が作動すると、電気料金は数倍に跳ね上がります。

よって、家族が後で使うお湯を確保するために沸き増しが必要な場合などを除き、例えば夜間働いている1人暮らし世帯で、それ以上のお湯を使う必要がない場合などは、その日の自動湧き増し設定をオフにしておくと、余分な沸き増しを減らすことが可能です。

エコキュートの節約機能を上手に使う

エコキュートに備わったさまざまな節約機能を上手に使うことで、電気料金を節約できます。

例えば、ピークカット機能を設定すれば、電力需要が高まる時間帯、つまり電気料金が上がる時間帯での自動湯増し運転を回避できるため、節電に貢献できます。

さらに、沸き上げ時間シフト機能を設定しておけば、電気使用料が増え始める朝方には沸き上げを完了してピークを抑制することで、節電効果が上がります。

その他、例えばフルオートタイプのエコキュートに搭載されている自動保温機能は、デフォルトでは2~3時間の設定です。これを、湯はり後に家族の入浴時間が集中するより短い時間帯に設定しておけば、電気消費量を抑えられます。

他にもメーカーや機種ごとにさまざまな節約機能があるので、うまく活用して節電に努めれば、電気料金の節約につながります。

生活スタイルを見直してみる

現在の自分や家族の生活スタイルを見直してみるのも、電気料金を節約する1つの手です。例えば、電気料金が高くなる時間と安くなる時間帯の区切りをしっかり把握しておけば、安くなる時間帯に集中してエコキュートを使用できます。エコキュートだけでなくご家庭内の他の電化製品も安い時間帯に集中して使うよう工夫すれば、一層の電気料金節約につながります。

電気代料金プランを見直す

今の電気料金プランが自分の生活スタイルに合っていない場合、意図せず高い電気料金を支払っている可能性があります。よって、電気料金プランを見直すことで、節電効果が期待できます。

各電力会社が提供している電気料金プランはさまざま。オール電化向けに電気料金を節約できるプランも用意されています。今の電気料金が高いと感じる場合、あるいはより今の生活スタイルに合った電気料金プランが知りたいと思う場合は、電力会社に相談してみるのも1つの手です。

「TERASELでんき」への切り替えで月々の電気代はもっと安くなる!

エコキュートを有効活用して電気料金を安く抑えるさまざまな方法をご紹介しました。

従来型の給湯器よりもランニングコストをかなり抑えられるのが、エコキュートの大きな魅力。その電気代をもっと安く抑えたいなら、今話題の新電力への乗り換えを検討してみてはいかがでしょうか?

「TERASELでんき」は、その選択肢の1つ。世帯人数や、エコキュートを含めた夜間に稼働する機器の使用など、ライフスタイルに合わせた電気代節約をご提案します。

例えば、「超TERASELプラン」は、使えば使うほど電気代がお得になるシステム。電気製品を多く使用する方や、人数が多いご家族などに最適のプランです。もちろん、電気使用量がさほど多くないケースにも適した料金メニューもご用意しています。

TERASELでんきに乗り換える場合、切り替えに伴う工事や費用はいっさい必要ありません。お住まいの地域が供給エリア内にあれば、乗り換えで電気代が安くなるチャンス! ぜひ以下の供給エリア一覧をご確認ください。

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