投稿日:2021/12/27
更新日:2024/10/01
でんきの節約術
足元を温める暖房器具として電気カーペットが寒い時期に活躍します。エアコンや電気ファンヒーターなどの部屋全体を暖める暖房器具に比べて電気代が安いイメージがあるため、ご家庭で使っている方も多いのではないでしょうか。
しかし電気カーペットは足元しか温められないため、真冬には寒さをしのぎきれず、エアコンや電気ファンヒーターなどを併用して、部屋を暖めなくてはなりません。ほかの暖房器具を併用するときに気になるのは電気代です。
この記事では「そもそも電気カーペットの電気代っていくらなの?」「電気カーペットって結局エアコンも使わないといけないから実は電気代が高くなるの?」などの疑問をお持ちの方に向けて、電気カーペットの電気代はいくらなのか、電気カーペットを使うことのメリットや節約のポイントを解説します。ご家庭の電気代が高いと感じている方はぜひ参考にしてみてください。
なお、本記事の情報は2024年8月時点での情報になります。
最新の情報は各公式ページをご参考ください。
目次
電気カーペットとは、電気の力でカーペットの表面を暖める暖房機器です。ホットカーペットと呼ばれることもあります。
電気カーペットの種類は、大きく以下の3種類に分けられます。
絨毯タイプは、3つの中で最もスタンダードな電気カーペットです。多くは毛足の長い厚手の生地でできた絨毯状の敷物とセットになっており、電気カーペット本体の上に敷物をかぶせて使用します。敷物は洗濯機で洗えることも多く、お手入れしやすい点が特徴です。サイズ展開やデザインも豊富で、幅広い雰囲気の部屋にマッチし、インテリアの一部としても活躍します。
フローリングタイプの電気カーペットは、その名の通りフローリングのような見た目をしています。つるっとした肌ざわりと、木目のデザインが特徴です。絨毯タイプのように、上から敷物をかぶせる必要はありません。また防水・撥水加工がされた製品や防ダニ加工がされた製品もあり、機能性が高いだけでなく、汚れに強く清潔に使いやすいです。
ホットマットタイプとは、いわゆる1人用の電気カーペットのことです。限られた範囲をピンポイントで暖めるため、少ない電力で必要な箇所のみに使用できます。机作業をする際の足元に置いたり、座布団のように使ったりするケースが多いです。
電気カーペットは内部に電熱線が通っており、電気を通すことでカーペットが温まる仕組みです。電気カーペットには部屋全体を暖める効果はなく、カーペットに触れている部分のみが温かくなります。エアコンなどよりは電気代が安い印象のある電気カーペットですが、電気代はどれくらいなのでしょうか。
今回は2畳相当の大きさの電気カーペット(※)を温度「高」で使用した場合と「中」で使用した場合の1時間あたりの電気代を算出。電気代の計算は「1時間あたりの消費電力(kW)」×「1kWhあたりの電気代単価(円)」の式で行い、1kWhあたりの電気代単価は27円とします。
電気カーペットの温度を「高」で使用した場合の消費電力は315Wです。電気代は以下の式で求められます。
「0.315kW」×「27円」=「8.5円」
続いて温度を「中」にしたときの消費電力は230Wで、1時間使用した場合の電気代は以下です。
「0.23kW」×「27円」=「6.21円」
電気カーペットを1時間使用した場合の電気代はどちらも10円未満でした。今回は2畳相当の大きさの電気カーペットで計算をしたので、サイズが大きくなればその分電気代は高くなります。気になる方はご家庭の電気カーペットで実際に計算してみてください。
出典:着せ替えカーペット セットタイプ DC-2HAB10 2畳相当 詳細(スペック) | 電気カーペット | Panasonic
https://panasonic.jp/danbo/p-db/DC-2HAB10_spec.html
電気カーペットの1時間あたりの電気代は「高」で8.5円、「中」で6.21円でした。10円未満なので安く感じられますが、ほかの暖房器具と比べたときにこの金額は安いのでしょうか。その他の暖房器具の電気代も計算して、比較してみましょう。
電気カーペットと仕組みが同じ電気毛布は、寝る前に布団を温めたりひざ掛けとして体を温めたりする暖房器具です。電気毛布も温度調整が可能なため、「強」と「弱」のそれぞれで1時間使用した際の電気代を比べてみましょう。
電気毛布は安全面の観点から「強」では約40分の使用が推奨されていますが、ここでは電気代の比較のため、分かりやすさを重視して1時間使用した場合の電気代を算出します。
電気毛布を「強」で使用した場合の消費電力は56Wです。電気代は以下の式で求めます。
「0.056kW」×「27円」=「1.51円」
設定温度が「弱」のときの消費電力は33Wのため、1時間使用した場合の電気代を求める式は以下です。
「0.033kW」×「27円」=「0.89円」
電気毛布の電気代は「強」で1.51円、「弱」で0.89円のため、電気カーペットよりも安いことが分かります。しかし電気毛布はシングルの布団とほぼ同じ大きさです。電気カーペットよりもサイズが小さいため、電気代は安くなっています。
電気かけしき毛布(シングルMサイズ) DB-R31M 取扱説明書 | 電気毛布 | Panasonic
https://panasonic.jp/manualdl/p-db/db/db-r31m_r31ms_rm3m_01.pdf
くつろぎながら暖がとれるこたつ(※)は、テーブル代わりとして使用している方もいるでしょう。こたつは「強」で使用する場合には約180W、「弱」で使用する場合には約90Wの消費電力が必要です。それぞれの電気代を計算してみましょう。
まず「強」で使用した場合の計算式は以下です。
「0.18kW」×「27円」=「4.86円」
続いて「弱」で使用した場合は以下の式で計算できます。
「0.09kW」×「27円」=「2.43円」
こたつも電気カーペットより小さく、約半分ほどのサイズのため電気代も安くなっています。電気カーペットは2畳用で電気代を算出しているため、半分の1畳用の電気カーペットであれば単純計算で温度が「高」の場合は4.25円、「中」の場合は3.10円となるため、電気代はほぼ変わりません。
出典:[3点セット] 120×80cmこたつテーブル+掛け・敷布団 手元コントローラー ハロゲンヒーター UV天板 手洗いOK 1年保証〔6814— タンスのゲン
https://www.tansu-gen.jp/products/68140097
電気ファンヒーターは、足元を局所的に温める電気カーペットとは違い、部屋全体を暖める暖房器具です。局所的に温めるよりも部屋を暖める場合の方が電気代が高くなる傾向にありますが、どの程度差があるのでしょうか。
今回は電気ファンヒーターでも代表的なセラミックファンヒーター(※)を例に電気代を計算します。
セラミックファンヒーターは「強」で使用した場合、消費電力は1200Wほどです。「強」で1時間使用した際の電気代を以下の式で求めてみましょう。
「1.2kW」×「27円」=「32.4円」
「弱」で使用した場合、消費電力は550Wほどなので1時間あたりの電気代は以下です。
「0.55kW」×「27円」=「14.85円」
電気カーペットの電気代が「高」でも8.5円でしたので、セラミックファンヒーターの「強」と電気カーペットの「高」を比べると約4倍の差があります。
出典:仕様 / 寸法 | HX-PS1 | プラズマクラスター電気暖房機:シャープ
https://jp.sharp/danbou/products/hxps1/spec/
電気カーペットは部屋全体を暖める暖房器具よりは電気代は安いけれど、局所的に体を温める暖房器具の中では電気代が高くなることが分かりました。では局所的に暖をとるための暖房器具として電気カーペットを使用するメリットはどのような点にあるのでしょうか。
冬は床が冷たくなっていることが多く、部屋でくつろいでいても床が冷たいと足元から冷えてしまいます。また暖かい空気は上に溜まりやすく、床付近には冷たい空気が溜まってしまいがちです。しかし電気カーペットは床に敷いて足元を温めてくれるため、室温が少し低くても体は温かさを感じられるでしょう。
電気カーペットは電源を入れていない状態であれば、普通のカーペットと同じように使うことが可能です。厚みがあるため、床に傷がつくのを防いだり、足音や物を落としたときの音などを軽減してくれたりします。季節ごとに収納する手間がかからない点もメリットと言えるでしょう。
電気カーペットの掃除は、掃除機をかけたり粘着テープでほこりや髪の毛を取り除いたりと普通のカーペットと同様です。種類によってはダニ対策機能がついているものもあるため、普通のカーペットより衛生面でも安心できます。
暖房器具の中には火を使って暖をとったり、電気を使っていても高温で、触れるとやけどをしてしまうものも。小さい子どものいるご家庭ではそういった暖房器具の使用を避けている方もいるでしょう。電気カーペットは温度調整が簡単にでき、火を使うこともないため、子どもがいるご家庭でも安心して使用できます。
電気カーペットにはメリットが多くありますが、デメリットもあるため、電気カーペットの購入時はデメリットも含めて把握しておきましょう。
電気カーペットはカーペットの中の電熱線が熱を持つことで温かくなります。そのためカーペットに触れている部分しか温かさを感じません。エアコンや電気ファンヒーターのように部屋全体を暖める暖房器具がほしい方には向いていませんので、注意が必要です。
火を使わないため安全性が高い電気カーペットですが、長時間の利用は低温やけどの危険(※)があります。電気カーペットを「高」で使用した場合の温度は45℃ほどです。低温やけどは44~50℃ほどの比較的低い温度でも症状が現れる可能性があるため、気をつけなくてはなりません。
特に小さい子どもは大人より低温やけどになりやすいため、短時間でも設定温度「高」での利用は避けた方が良いでしょう。
出典:あなたは大丈夫? 冬の製品事故 | 暮らしに役立つ情報 | 政府広報オンライン(2021年9月21日利用)
https://www.gov-online.go.jp/featured/201101/index.html#anc04
電気カーペットは局所的に温める暖房器具の中では電気代が高い傾向にあります。少しでも電気代を節約するにはどのような方法があるのでしょうか。
ここでは電気カーペットの電気代を抑える方法ついて解説します。
毛布を使うことで電気カーペットから発生した熱を毛布と電気カーペットの間に留めておくことができるため、設定温度を1つ下げても快適に過ごせるでしょう。設定温度を「高」から「中」に下げることで、3畳用の電気カーペットを1日5時間使った場合には年間約5,020円の電気代を節約できます。(※)
出典:空調 | 無理のない省エネ節約 | 家庭向け省エネ関連情報 | 省エネポータルサイト
https://www.enecho.meti.go.jp/category/saving_and_new/saving/general/howto/airconditioning/index.html#3
断熱マットを敷くことで電気カーペットの暖房性能を上げることができます。何も敷かずに電気カーペットをつけると、電気カーペットの熱は冷たい床に逃げてしまうため、断熱マットを敷いて熱を逃がさないことが重要です。
この方法も設定温度を1つ下げられる可能性があるため、電気カーペットの購入時に断熱マットも一緒に購入すると良いでしょう。
電気カーペットは温める面積の設定が可能です。電気カーペットは触れている部分しか温まらないため、使わない部分を温めていても電気を無駄に消費することになります。電気カーペットは3分割されていることが多いため、使う部分だけを温めましょう。
設定温度を「高」から「中」に変更するだけで年間で5,000円以上電気代を節約することが可能なため、設定温度の調節は電気代の節約に効果的です。もちろん「中」より「弱」に設定した方がより電気代を節約できるので、必要以上に温度を高く設定しないように意識しましょう。
電気カーペットは単体で使うと足元しか温まらないため、部屋が寒いときに電気カーペットだけで暖をとろうとして設定温度を「高」に設定しても、電気を消費するだけで、部屋全体が暖まることはありません。そこでエアコンや電気ファンヒーターなどの部屋を暖めるのに向いている暖房器具を併用することで、暖かさを感じやすくなります。ただ併用するだけではなく、それぞれの暖房器具の設定温度を1℃、または1段階下げることを意識しましょう。
電気代の節約には、現在の電気代プランがご家庭の電気の使い方に合っているかを見直すことも重要です。例えば電気使用量が多いご家庭なら、電気を多く使うほどお得になるプランを選び、日中は家にいないことが多く、電気の使用は夜の時間帯に集中しているご家庭であれば、夜間の電気代がお得になるプランを選ぶのが良いでしょう。
電力小売自由化がはじまって以降、各電力会社がさまざまなご家庭に合った電気代プランを提供しています。現在契約している電気代プランが適切かどうか、改めて見直してみてください。
電気カーペットは足元の寒さが気になる方におすすめの暖房器具です。電気代は局所的に温める暖房器具の中では高く、部屋を暖める暖房器具と比べると安くなっています。少しでも電気カーペットの電気代を節約するためには、毛布を使用したり、ほかの暖房器具を使用したりといった工夫が重要です。
しかし寒さを乗り切るには暖房器具の使用は必須です。電気代の節約を意識して暖房器具の使用を控えても、限界があるでしょう。そこでおすすめなのが電気代プランの見直しです。
電気代プランは引越しの際に見直すことはあっても、一度契約をしたあとは見直す機会が少ないのではないでしょうか。2016年4月にはじまった電力小売自由化によって「新電力」と呼ばれる新たな電力会社が多く参入し、各電力会社がさまざまな電気の使い方に合わせた電気代プランの提供をはじめました。
電気代プランを見直す際に確認したいのが「電気使用量」です。電気代は、契約電気量により決まる「基本料金」と電気使用量により決まる「従量料金」が基本になっています。契約電気量が適切でも、電気使用量が多い場合には電気代が高くなりやすいです。
電気使用量が多いご家庭には「超TERASELでんきプラン」(※)のように電気を使うほどお得になる電気代プランがおすすめです。月に300kWhの電気を使うご家庭であれば、今の電気代プランから変更するだけで年間4,632円も電気代がお得になるかもしれません。(※1)今からどれくらい電気代がお得になるか気になる方は、検針票(電気ご使用量のお知らせ)不要で変更後の料金が分かる料金シミュレーションをご用意しているので、お気軽にご活用ください。
1 東京電力従量電灯B 40Aから超TERASELプラン東京Bに変更した場合。
出典:「料金プラン」たくさん使う方ほどお得 | TERASELでんき
https://www.terasel.jp/charge/
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