【引越しやることチェックリスト33個】手続きの流れと引越し前後で注意すること

投稿日:2024/10/01

更新日:2024/09/30

でんきの節目

引越し先が決まったら、ガス・水道・インターネットの解約や、転出届・転入届の提出など、さまざまな手続きが必要です。何か見落としていないか、不安に思う方もいるでしょう。

この記事では、引越し前後でやるべきことをリストアップし、時系列順に紹介しています。チェックリストを見ながら、計画的に引越し準備を進めていきましょう。

  • 引越し先が決まったら、すぐにやることは5つある
  • 引越し準備は2週間前、1週間前など、期限を決めて行うと効率的
  • 引越し後に必要な5つの手続きも忘れずに
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この記事を書いた人

野中 康平
野中 康平マーケティング室 室長
大学在学中、発展途上国でのボランティア活動がきっかけで
伊藤忠エネクスに入社。
入社後は一貫して電力ビジネスに携わり、電力ビジネス領域における大規模システム構築を実現。
電力のスペシャリストとして電力ビジネスの拡大に尽力している。

目次

引越し先が決まったらすぐにやること5つ

引越し先が決まったらすぐにやること5つ

引越し先が決まった段階で、すぐにやっておくべきことは5つあります。

やること 手続き先 備考
旧居を売却または解約する 不動産会社または管理会社
  • 戸建ての場合は、旧居の引渡し日までに引越しを済ませる必要がある
  • マンション・アパートの場合は、賃貸借契約書に記載された解約予告期間までに解除の意思を伝えておく
引越し業者を手配する 引越し業者各社
  • 新生活が始まる3月~4月は繁忙期のため、早めの予約が必要となる
  • 引越し料金を抑えるには、複数の引越し業者に相見積もりを取るのがポイント
子どもの転園・転校手続きをする 保育園・幼稚園・小学校・中学校・高校など 通園・通学中の学校によって手続きが異なるため、引越し先が決まった段階で問い合わせておく
不用品(粗大ごみ)の処分に取り掛かる 引越し前の市区町村のごみ担当課や、不用品回収業者など 家具や電化製品などの処分には時間がかかるため、できるだけ早く処分に取り掛かる
梱包用品の準備や荷造りを始める 依頼する引越し業者
  • ダンボールやガムテープなどの梱包用品は、引越し業者から無料でもらえる場合がある
  • 日常生活で使用しないものから順に、少しずつ荷造りを進めておく

特に不用品(粗大ごみ)の処分や、荷物の箱詰めには時間がかかります。スキマ時間などを利用して、少しずつ進めていきましょう。

1. 旧居を売却または解約する

まずは旧居に関する手続きをしましょう。手続きの流れはお住まいの家が戸建てか、マンション・アパートなどの賃貸住宅かによって変わってきます。

戸建ての場合は住まいを売却する

持ち家の売却から引き渡しまでの間には、通常約1~2カ月の期間がかかると言われています。引越しが決まった段階で、住まいの売却手続きに取り掛かりましょう。

持ち家の売却方法には、旧居を売却してから新居に引っ越す「売り先行」と、新居に引越してから旧居を売却する「買い先行」の2つがあります。売り先行の場合、新居の物件探しに時間がかかると、仮住まいが必要になるため注意しましょう。

マンション・アパートの場合は賃貸契約を解約する

マンション・アパートにお住まいの場合は、引越しが決まった段階で、管理会社や大家に賃貸契約の解約を申入れましょう。

賃貸契約では、解約の事前告知をしなければならない期間が決まっています。標準的な賃貸借契約書では、退去の30日前までに解約の申入れを行うことになっています。解約の予告期間に関する特約が定められている場合もあるため、契約書面を確認してください。

期間の定めがない場合は、民法617条1項2号の規定に基づき、退去の3カ月前に解約の申入れを行うとよいでしょう(※)。

参考: 『民間賃貸住宅に関する相談対応事例集 (再改訂版)』p100

2. 引越し業者を手配する

引越し業者も、できるだけ早く手配しておくことをおすすめします。特に新生活が始まる3月~4月は、引越し業者にとって繁忙期となるため、早めの予約が必要です。

一括見積もりサービスなどを活用し、複数の引越し業者から見積もりを取ることで、引越し料金を節約することが可能です。

3. 子どもの転園・転校手続きをする

子どもがいる場合は、余裕を持って転園・転校手続きを行いましょう。

手続きの流れや必要書類は、学校によって異なる場合があります。子どもを転校させることが決まった段階で、通園・通学中の学校に確認してください。

場所 やること 備考
保育園・幼稚園 退園届または転園届を出す
小学校・中学校
  • 公立の場合は「入学通知書(就学指定校通知書)」を受け取り、「転出学通知書」を提出する
  • 私立の場合は転校を希望する学校に問い合わせる
高校 転校を希望する学校に問い合わせる

4. 不用品(粗大ごみ)の処分に取り掛かる

家具や電化製品など、不用品(粗大ごみ)の処分も少しずつ進めていきましょう。引越しの前に家財道具を減らしておくと、引越し料金の節約にもつながります。

不用品を処分する方法には、以下のようなものがあります。

  • 粗大ごみとして、市区町村の指定する方法で処分する
  • 不用品回収業者に回収してもらう
  • フリマアプリやネットオークションで売却する
  • リサイクルショップに買い取りを依頼する
  • まだ使えるものは知人に譲る
  • 貸倉庫などに保管しておく

5. 梱包用品の準備や荷造りを始める

ダンボールやガムテープなどの梱包用品は、引越し業者から無償もしくはオプション料金で用意してもらえる場合があります。引越し業者が決まったら、梱包用品の手配について確認するとよいでしょう。

引越し準備の中でも、特に時間がかかるのが荷造りです。日常生活で使用しないものから順に、少しずつ荷物の箱詰めをしていくと、余裕を持って引越し当日を迎えられます。

引越しの2週間前までにやること5つ

引越しの2週間前までを目安として、やっておきたいことは5つあります。

やること 手続き先 備考
郵便物の転送手続きをする 旧居を管轄する郵便局 郵便局の窓口に転居届を提出するか、インターネット上で申し込みをする
インターネット契約を移行する インターネットプロバイダ各社 開通工事が必要な場合は、インターネットが使えるまで1カ月~2カ月かかる可能性があるため、早めに手続きを済ませておく
契約中のテレビの住所変更をする NHKやケーブルテレビ局、衛星放送局など
  • 郵送やインターネットでの申し込みなどを通じて、新しい登録住所に変更する
  • ケーブルテレビを契約している場合は、撤去工事や設置工事が必要な場合がある
固定電話の移転や携帯電話の住所変更をする NTTや携帯電話会社各社
  • 引越し先でも固定電話を使う場合は、移転工事が必要な場合が一般的
  • 携帯電話・スマートフォンの請求先住所の変更も忘れずに
定期宅配サービスの登録住所を変更する 新聞社やウォーターサーバー会社など
  • 引越し先が決まった段階で、定期購入しているものを洗い出しておく
  • 住所を変更してそのまま継続できるものと、一旦解約が必要なものがある

6. 郵便物の転送手続きをする

引越しの2週間前になったら、郵便物の転送手続きをしましょう。

郵便局では、旧住所宛ての郵便物を新住所に転送する「転居・転送サービス」を無料で提供しています。サービスを利用できる期間は、届出を行った日から1年間です(※)。

転居・転送サービスを申し込むには、転居届に必要事項を記入し、本人確認書類を添えて提出する必要があります。転居届の提出方法は以下の3つです。

  • インターネット(e転居)で提出する
  • ポストに投函する
  • 最寄りの郵便局の窓口で提出する

参考: 『転居・転送サービス』

7. インターネット契約を移行する

現在利用しているインターネットの移行手続きも行いましょう。引越し先のエリアによって、インターネット契約の解約が必要になる場合と、登録住所を変更することでそのまま利用を継続できる場合があります。

無線LANルーター(Wi-Fiルーター)などの機器をレンタルしている場合は、忘れずに返却してください。

8. 契約中のテレビの住所変更をする

次にNHKや衛星放送、ケーブルテレビ(CATV)など、契約中のテレビの登録住所も変更しましょう。

NHKの場合、住所変更の手続きはインターネット上で行うことが可能です。結婚や単身赴任などにより、現在の世帯から独立する場合は、新規契約の手続きが必要です。

また衛星放送やケーブルテレビを契約している方も、事業者のサービスページなどの案内を確認し、登録住所の変更を行いましょう。

特にケーブルテレビでは、引越しに伴い現住所での機器の撤去工事が必要な場合があります。引越し後もサービスを継続利用する場合は、新住所での再設置工事の手続きも必要です。

引越しが増える2月~4月は、手続きが集中することが予想されるため、できるだけ早く住所変更の連絡をしましょう。

9. 固定電話の移転や携帯電話の住所変更をする

引越しで住所が変わると、固定電話の移転手続きや、携帯電話・スマートフォンの住所変更が必要です。

固定電話は116にダイヤルすることで手続きが可能です。引越しを機に番号が変わる場合は、いくつかの候補の中から1つ選択します。

また新居での開通工事も、電話で新住所を伝える形で簡単に予約できます。ただし、東日本エリアから西日本エリアへ引っ越す場合、NTT東日本/西日本で管轄が異なるため、契約の解除と再契約が必要です。

携帯電話やスマートフォンの請求先住所も、忘れずに変更しておきましょう。

10. 定期宅配サービスの登録住所を変更する

新聞や牛乳、ウォーターサーバー、食材の定期購入などの契約を結んでいる場合は、登録住所の変更を行いましょう。引越し先でサービスを利用できない場合は、解約手続きを行うことになります。

引越し先が決まった段階で、利用している定期宅配サービスを洗い出しておくと、抜け漏れなく手続きを進められます。

引越しの1週間前までにやること5つ

引越しまであと1週間になったら、以下の5つの手続きを済ませておきましょう。

やること 手続き先 備考
転出届を提出する 引越し前の市区町村の窓口
  • 異なる市区町村に引っ越す場合のみ
  • 引越し当日の14日前から手続きが可能になる
  • マイナンバーカードをお持ちの方は、マイナポータルでの手続きも可能
国民健康保険被保険者証を返却する 引越し前の市区町村の窓口 国民健康保険に加入している方で、現在とは異なる市区町村に引っ越す場合のみ
福祉関係の手続きをする 引越し前の市区町村の窓口
  • 児童手当や介護保険、各種医療制度に関する手続きをする
  • 転出届の提出や、国民健康保険の資格喪失手続きとまとめて行うと効率的
電気・ガス・水道を停止または移転する 契約中の電力会社・ガス会社・水道局
  • ガスの閉栓作業は立ち会いを求められる場合がある
  • 引越しに伴い別の会社に切り替える方は、新居での開始手続きが必要になる
火災保険・地震保険の異動手続きをする 保険会社または不動産会社
  • 賃貸物件にお住まいで、管理会社指定の保険に加入している場合は解約が必要
  • 戸建ての場合、移転先でも戸建てに住むなら、住所変更によって保険を継続できる

11. 転出届を提出する

現在とは異なる市区町村に引っ越す場合、転出届の提出が必要です。転出届の提出方法は2つあります。

  • 引越し前の市区町村の窓口で転出届を提出し、転出証明書を受け取る
  • マイナポータルを通じ、オンラインで転出届を提出する

マイナンバーカードをお持ちの場合は、オンラインで転出届を提出できます。引越し先の市区町村で転入届を提出する際も、転出証明書の代わりにマイナンバーカードを提示することで手続きが可能です。

12. 国民健康保険被保険者証を返却する

国民健康保険に加入している場合は、引越し前の市区町村の窓口で資格喪失の手続きを行い、人数分の保険証(国民健康保険被保険者証)を返却しましょう。

13. 福祉関係の手続きをする

その他、引越しによる住所変更に伴い、市区町村の窓口で以下のような手続きが必要になる場合があります。

  • 児童手当の受給事由消滅届の提出
  • 児童扶養手当の住所変更の届出
  • 介護保険被保険者証の返却
  • 後期高齢者医療被保険者証の返却
  • 福祉医療費助成(子ども・重心障害者・ひとり親など)の受給資格証の返却
  • 敬老パスの利用証の返却など

14. 電気・ガス・水道を停止または移転する

引越しに当たって、電気・ガス・水道などの使用を停止する手続きが必要です。担当窓口に直接電話するか、インターネット上で使用停止を申し込みましょう。

ガスの使用を停止する場合、閉栓作業への立ち会いを求められる場合があります。例えば、オートロックの建物では、ガスメーターのある場所に作業員が立ち入れないため、原則立ち会いが必要です。

電気に関しては、引越し先でも同じ電力会社を利用することが可能です。その場合、電力会社に引越し先と引越し日を伝えるだけで移転手続きが完了します。引越しに伴う電気の手続きについては、こちらの記事を参考にしてください。

毎月の電気料金が気になる場合は、引越しを機に電力会社の見直しを行うとよいでしょう。電力の小売全面自由化以降、新電力と呼ばれる小売電気事業者が新規参入し、独自のプランを打ち出してきました。電気の利用状況によっては、毎月の電気料金が安くなる可能性があるため、現在の料金プランと比較してみましょう。

おすすめの新電力については、こちらの記事で詳しく紹介しています。

15. 火災保険・地震保険の異動手続きをする

火災保険や地震保険は、引越しに伴い住所変更の手続きが必要です。現在の保険契約をそのまま継続できるかどうかは、引越し先によって変わってきます。

どこからどこ? 内容
戸建てから戸建てへ 保険契約をそのまま継続できるため、異動手続きをする
戸建てから賃貸住宅へ 保険契約を継続できないため、賃貸住宅向けの火災保険・地震保険に加入する
賃貸住宅から戸建てへ 保険契約を継続できないため、持ち家向けの火災保険・地震保険に加入する
賃貸住宅から賃貸住宅へ 保険契約をそのまま継続できるため、異動手続きをする。
ただし、引越し先で管理会社指定の火災保険・地震保険に加入しなければならない場合、現在の保険契約は解約する必要がある

引越しの前日までにやること6つ

引越しの前日までには、以下の6つの準備や手続きを済ませておきましょう。

やること 手続き先 備考
冷蔵庫の清掃や水抜きをする
  • 水抜きをしていないと、輸送中に水漏れする恐れがある
  • 冷凍庫は水抜きに時間がかかるため、引越しの2日~3日前までにコンセントを抜いておく
洗濯機の排水・水抜きをする
  • 給水ホースや排水ホースをなくさないように注意する
  • ドラム式洗濯機の場合は、ドラム(槽)の固定も必要
パソコンのデータをバックアップする 運搬中にパソコンが破損した場合に備えて、重要なデータをバックアップしておく
電化製品の配線をまとめる
  • テレビなどの電化製品の配線を取り外し、なくさないようにまとめておく
  • どの機器の配線か分かるように、印を付けておく
旧居の近隣住民に挨拶する
  • 搬出作業が始まる前までに、ご近所の方への挨拶を済ませる
  • 引越しに伴い、騒音が発生する可能性があることを伝えておく
旧居の清掃やごみの片付けをする ごみ収集日を確認し、引越し当日にごみが残らないよう計画的に掃除する

16. 冷蔵庫の清掃や水抜きをする

引越しの前日になったら、冷蔵庫の水抜きや内部の清掃を行いましょう。手順は以下のとおりです。

1.冷蔵庫の中身を空にする(食材を消費しきれない場合は、クーラーボックスなどに移す)
2.冷蔵庫のコンセントを抜く
3.水受けトレイ(水受け用タンク)にたまった水を捨てる

自動霜取り機能が付いていない冷蔵庫の場合は、引越しの2日~3日前までにコンセントを抜いておきましょう。

17. 洗濯機の排水・水抜きをする

洗濯機も水抜きが必要です。輸送中に水漏れする恐れがあるため、給水ホースや排水ホースに残った水を必ず排出しましょう。手順は以下のとおりです。

1.洗濯機の蛇口(水栓)を閉める
2.洗濯槽に水が入っていない状態で、洗濯機を約1分~2分運転する
3.給水ホースの水が抜けたら取り外す
4.脱水ボタンを押し、一番短い時間で運転する
5.洗濯槽の内部の水気を拭き取る
6.排水ホースを取り外し、出てくる水をタオルや雑巾などで受ける

ドラム式洗濯機をお使いの場合は、付属の固定ねじ(輸送ボルト)を使い、ドラム(槽)を固定しましょう。

18. パソコンのデータをバックアップする

引越し作業中にパソコンが強い衝撃を受け、データが破損する恐れがあります。メーカーが案内する方法に従い、重要なデータをバックアップしておきましょう。

19. 電化製品の配線をまとめる

パソコンやテレビ、プリンター、Blu-rayプレイヤー、ゲーム機などのケーブルは、引越しの前日までにまとめておきましょう。

百均ショップやホームセンターなどで売られているケーブルアクセサリー(ケーブルをまとめるグッズ)があると便利です。どの機器の配線かひと目で分かるようにするため、ケーブルに印を付けておくとよいでしょう。

20. 旧居の近隣住民に挨拶する

引越しの前日になったら、近隣のお世話になった方に挨拶をしましょう。引越し作業に伴い、騒音が発生する可能性があることも伝えておくとよいでしょう。

21. 旧居の清掃やごみの片付けをする

旧居の清掃やごみの片付けは、引越しの前日までに終えておく必要があります。引越し当日にごみが残らないように、地域の収集日を確認し、計画的に処分しましょう。

引越しの当日にやること7つ

いよいよ引越しの当日になったら、やらなければならないことが7つあります。

やること 手続き先 備考
荷造りの最終確認をする 依頼する引越し業者
  • 貴重品は常に携帯するバッグに入れておく
  • 引越し後すぐに使う日用品は、取り出しやすいようにまとめておく
引越し料金を精算する
  • 全ての荷物が搬出されたことを確認してから、料金を精算する
  • 引越し業者によっては、新居で料金精算を行う場合もある
退去前の最終確認をする
  • 電気のブレーカーが下がっているか、水道の元栓が閉まっているかなどを確認する
  • 賃貸物件の場合は、管理会社に旧居の鍵を返却する
新居の近隣住民に挨拶する 新居での搬入作業が始まる前に挨拶しておくことが望ましい
旧居の近隣住民に挨拶する
  • 搬出作業が始まる前までに、ご近所の方への挨拶を済ませる
  • 引越しに伴い、騒音が発生する可能性があることを伝えておく
新居で搬入作業の立ち会いをする 依頼する引越し業者
  • 引越し業者が到着する前に新居へ移動し、鍵を開けておく
  • 必要に応じて、家具や電化製品を運んで欲しい場所を指示する
荷物の点検や荷解きをする 荷物に紛失・破損などがないかを確認する
電気・ガス・水道の使用を開始する 引越し先の電力会社・ガス会社・水道局
  • ガスの開栓作業には、必ず立ち会いが必要になる
  • 電気はスマートメーターなら、ブレーカーを操作しなくても供給が開始される

22. 荷造りの最終確認をする

当日の朝になったら、荷造りの最終確認を行います。前日までに使っていた衣類や寝具、その他の日用品なども忘れずにダンボールに入れましょう。

また現金や有価証券、宝石貴金属、預金通帳、キャッシュカード、印鑑など、利用者が携帯することのできる貴重品は、国土交通省が定める標準引越運送約款により、運送の引き受けを拒否される可能性があります(※)。盗難防止のためにも、日ごろ使用しているバッグなどに入れ、自分で持ち運ぶとよいでしょう。

参考: 『引越し関連手続一覧』

23. 引越し料金を精算する

荷物を全て搬出し終わったら、引越し料金を精算します。引越し業者によっては、新居で料金精算を行う場合もあります。

24. 退去前の最終確認をする

退居前に以下の点検を行ってください。

  • 電気のブレーカーが下がっているか
  • 水道やガスの元栓が閉まっているか
  • 忘れ物がないか

問題がなければ、引越し業者を迎えるために新居へ移動しましょう。

25. 新居の近隣住民に挨拶する

新居に到着したら、引越し当日のうちに近隣住民に挨拶しておくことをおすすめします。引越し作業に伴い、騒音が発生する可能性があることを事前に伝えられるからです。

時間に余裕がない場合は、引越し後に手土産を持って近所の方に挨拶に行きましょう。戸建ての場合、向こう3軒両隣(向かい側3軒と左右2軒)に挨拶することが望ましいとされています。

26. 新居で搬入作業の立ち会いをする

引越し業者が到着する前に新居の鍵を開け、出迎える準備をしましょう。家具や電化製品を運んで欲しい場所がある場合は、必要に応じて作業員に指示するとよいでしょう。

27. 荷物の点検や荷解きをする

引越し当日のうちに、搬入した荷物の点検を行いましょう。全てのダンボールを開梱し、紛失・破損などがないかを確認してください。

標準引越運送約款第25条では、引越し作業日から3カ月以内に申告がない場合、荷物の紛失・破損に対する事業者責任が消滅すると定めています(※)。荷物の紛失・破損に気づいたら、すみやかに引越し業者に連絡してください。

参考: 『引越における消費者向けQ&A』p3

28. 電気・ガス・水道の使用を開始する

最後に、電気・ガス・水道の使用を開始するための手続きをしましょう。なお、賃貸住宅に引っ越す場合と一戸建てに引っ越す場合で使用開始までの流れが異なる部分もあります。

まず、ガスに関しては、賃貸住宅・一戸建てどちらに引っ越す場合でも、使用開始に伴い開栓作業が必要です。開栓作業には、必ず立ち会いが必要なため、前もってガス会社に引越し日を伝えておきましょう。

次に、電気や水道の場合、立ち会いは不要です。電気の開通作業については、スマートメーターの有無によって変わってきます。

スマートメーター 開通作業
あり 遠隔操作で電気が開通されるため、不要
なし 新居のブレーカーのスイッチをONにする

スマートメーターは、東京電力エリアでは一部の取り替え作業が困難な場所を除き、全ての世帯・事業所に設置されています。ほとんどの住まいで、ブレーカーを操作せずに電気を利用できるでしょう。

なお、賃貸住宅に引っ越す場合、前もって手続きをしていないと、引越し当日から電気を利用できません。特に引越しをきっかけとして電力会社を変更した場合は、できれば2週間以上前、遅くとも1週間前に新規契約の申し込みをするとよいでしょう。

そのため、好きな電力会社に一戸建ての場合は、屋内配線工事を担当する事業者が、工事の段階で地域を管轄している大手電力会社に申し込み、電気を引き込んでいるパターンが多いです。変更するには、供給地点特定番号を控えご自身で乗り換え手続きを行う必要があります。

供給地点特定番号とは電気を使う場所を表す番号で、電力会社のWebサイトや検針票で確認することが可能です。

引越し当日の開通作業や、電力会社の新規契約手続き、電力会社を見直すポイントについて知りたい方は、こちらの記事でも動画付きで解説しています。

引越しが終わってからやること5つ

引越しが終わってからやること5つ

引越しが無事に終わっても、やらなければならないことが5つ残っています。

引越しに伴い住所が変わるため、マイナンバーカードや保険証、運転免許証などの住所変更手続きを行いましょう。手続きによっては、期限が決まっているものもあるため、引越し後すみやかに行うことが大切です。

また、上記のように賃貸住宅に引越した場合と一戸建てに引越した場合で共通の手続きもあれば、一戸建て特有の手続きもあります。

やること 手続き先 備考
転入届・転居届を提出する 引越し先の市区町村の窓口
  • 他の市区町村に引っ越す場合は転入届を提出する
  • 住所変更手続きは、引越し後30日以内に行う必要がある
国民健康保険被保険者証を返却する 引越し前の市区町村の窓口 転入届・転居届の提出などと同時に行うと効率的
ペット(犬)の住所変更手続きをする 引越し前の市区町村の窓口
  • 犬を飼っている場合は、狂犬病予防法により市区町村への登録が必要
  • 転出届の提出や、国民健康保険の資格喪失手続きとまとめて行うと効率的
運転免許証や自動車・バイクの住所登録を変更する 新居を管轄する警察署や運転免許センター
  • 運転免許証の住所変更には、「運転免許証記載事項変更届」の提出が必要
  • 自動車の場合、普通自動車か軽自動車かによって手続きの流れが異なる

賃貸住宅に引越した場合と一戸建てに引越した場合で共通の手続きもあれば、一戸建て特有の手続きも

やること 手続き先 備考
不動産登記の変更 法務局(オンライン可) 登記名義人の氏名および住所の変更が義務化されている
・オンラインで手続きを行うことも可能
各種税金の支払い 納税通知書(市区町村・都道府県) 不動産取得税と固定資産税・都市計画税の支払いが必要
自治会・町内会への加入 地域の自治会・町内会 マンションの管理組合と異なり、マンションや一戸建てどちらの場合でも自治会・町内会には法的な参加義務はない

29.引越し後の住所変更手続き:転入届・転居届から保険・ペットまで

引越し後は速やかに住所変更手続きを行う必要があります。新居が別の市区町村にある場合は「転入届」を、同じ市区町村内なら「転居届」を14日以内に窓口へ提出してください。これらの手続きはオンラインでは行えないため、必ず窓口での対応が必要となります。マイナポータルで転出届を提出した場合は、新しい住所地の窓口でマイナンバーカードを提示しながら転入届を提出します。一方、窓口で転出届を提出した場合は、転出証明書と共に転入届を提出することになります。

手続き後は、マイナンバーカードと国民健康保険についても対応が必要です。転入届を提出した場合、カードは90日以内に継続利用の手続きを行い、転居届の場合は住所変更手続きを行います(※)。また、国民健康保険については14日以内に加入か住所変更の届出を行ってください。ただし、国民年金はマイナンバーが登録済みであれば、通常は手続きが不要です。

なお、犬を飼っている方は、30日以内に新しい市区町村へ登録住所の変更手続きを行う必要もあります(地域によって異なる場合があるのでご注意ください)。また、特定動物や特定外来生物を飼育している方も同様の手続きが求められます。特定動物については環境省のホームページで確認できますので、ご参照ください。

不明な点がある場合は、お住まいの市区町村の窓口へ直接お問い合わせいただくことをおすすめします。

参考: 『引越し関連手続一覧』

30. 運転免許証や自動車・バイクの住所登録を変更する

運転免許証や、自動車・バイクの登録住所の変更も忘れずに行いましょう。

運転免許証は、住所や氏名、生年月日の変更があった場合、記載事項変更手続きが必要です。手続きは住所地を管轄する警察署、運転免許試験場、または運転免許更新センターで行います。
住所変更の場合は、運転免許証と住民票の写し(発行6カ月以内)、またはマイナンバーカードが必要です。住民票の写しが無い場合は、新住所・氏名が記載された健康保険証、消印のある封書・郵便物、公共料金領収書のいずれかで代用できます(※)。

参考: 『記載事項変更手続』

自動車の登録住所は、引越しから15日以内に管轄の運輸支局または自動車検査登録事務所で変更する必要があります。申請に必要なものは以下のとおりです(※)。

  • 自動車検査証(車検証)
  • 申請書
  • 手数料納付書(検査登録印紙350円)
  • 変更内容が確認できる住民票の写し(発行後3カ月以内のもの)
  • 印鑑
  • 自動車保管場所証明書(警察署証明の日から40日以内のもの)

参考: 『登録自動車の変更登録』

ただし、軽自動車の場合は、全国にある軽自動車検査協会の事務所・支所・分室において住所変更を行う必要があります。申請に必要なものは以下のとおりです(※)。

  • 自動車検査証(車検証)
  • 自動車検査証変更記録申請書(軽第1号様式)
  • 住民票の写しもしくは印鑑登録証明書(発行後3カ月以内のもの)
  • ナンバープレート(自動車検査証の本拠地に変更がない場合は不要)
  • 希望番号の予約済証(ナンバープレートの変更を希望する場合のみ)

参考: 『住所変更(引越し)』

31. 不動産登記の変更

引越し後は、不動産登記の変更も必要です。

引越しに伴う不動産登記の住所変更は、マンションと一戸建てで基本的な流れは同じです。両者とも登記申請書作成、登録免許税納付、必要書類添付、法務局への申請という手順を踏みます。

ただし、マンションの場合、敷地権の有無や種類に注意が必要です。1983年の区分所有法改正以降に建てられたマンションは通常敷地権付きですが、それ以前の物件では敷地権がない場合もあります。敷地権がある場合、登記申請書には部屋番号だけでなく、敷地権の種類や割合も正確に記載する必要があります。

一方、一戸建ての場合は土地と建物それぞれの詳細情報を登記申請書に記載する必要があります。土地は所在地、地番、地目、地積など、建物は所在地、家屋番号、種類、構造、床面積などが該当します。

なお、一戸建てとマンションで共通の注意点は、どちらも不動産番号(登記事項証明書に記載の13桁の番号)を活用すると、登記申請書の記載事項を簡略化できるという点です。ただし、不動産番号の記載は任意であり、分からない場合は記載不要です。

このように、マンションと一戸建ての住所変更登記は手続きの流れは同じですが、それぞれ特有の注意点があります。登記事項証明書などを参考に、必要な情報を事前に確認し、正確に登記申請書を作成しましょう。

また、2026年4月1日からは住所変更登記が義務化され、住所や氏名に変更があった日から2年以内に手続きをしない場合、5万円の過料が課される可能性があるため注意しましょう。

32. 各種税金の支払い

引越しする際には、税金に関する知識も必要です。一戸建てもマンションも、主に不動産取得税と固定資産税・都市計画税が発生します。

不動産取得税

  • 物件取得時に一度だけ支払う
  • 取得から約4~6ヶ月後に納税通知書が届く
  • 新築・中古問わず課税対象
  • 一定条件下で軽減措置あり(新築住宅、認定長期優良住宅など)

固定資産税・都市計画税

  • 物件所有中は毎年支払い
  • 1月1日時点の所有者に課税
  • 4~6月頃に納税通知書が届く
  • 一戸建て:土地と建物が対象
  • マンション:専有部分と共用部分が対象

なお、納税方法は金融機関、コンビニ、スマホ決済アプリ、クレジットカード、電子マネーなど多様です。

マンションと一戸建て、どちらに引っ越したとしても、これらの税金は必ず発生します。軽減措置や支払い方法を理解し、適切に対応することが重要です。詳細情報や手続きについては、各都道府県の税務署や市区町村の窓口、または税理士などの専門家への相談をおすすめします。

33. 自治会・町内会への加入

新生活に慣れる中、地域コミュニティとの関係構築も重要です。その第一歩として、自治会・町内会への加入を検討しましょう。これらは地域住民が自主的に組織する団体で、住民交流を深め、安全・安心な暮らしを支えています。

加入のメリットは多岐にわたります。防災情報やイベント案内、ゴミ出しルールなど、生活に欠かせない地域情報を得られます。また、会合やイベントを通じて近隣住民との親睦を深められ、さらに防犯パトロールや防災訓練への参加で地域の安全に貢献できます。

通常、引越し後に自治会役員が訪問し、加入を勧めてくれます。加入申込書に記入して提出するのが一般的で、加入費や年会費が必要な場合もあります。ただし、加入は任意であり、強制ではありません。マンションの場合、管理組合への加入は法的に義務付けられていますが、自治会とは異なります。

加入を検討する際は、活動内容や加入方法を事前に確認し、自身のライフスタイルに合わせて判断することが大切です。

まとめ

引越しが決まってから新居に移るまで、やるべきことは合計33個もあります。以下の6つの段階に分けて、計画的に引越し準備を進めていきましょう。

  • 1.引越し先が決まった後
  • 2.引越しの2週間前まで
  • 3.引越しの1週間前まで
  • 4.引越しの前日まで
  • 5.引越しの当日
  • 6.引越しが終わってから

引越しの際にやることの1つが、電気やガス、水道の停止または移転です。新居への引越しを機会に、既存のプランを見直す方も増えています。

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