冬の電気代の平均(地域別・世帯別)は?暖房費節約のコツも解説

投稿日:2022/12/12

更新日:2025/06/26

でんきの節目

実は冬は他の季節に比べて電気代が高くなりやすい時期です。しかも石油ストーブやガスファンヒーターなど電気以外の暖房器具も使うので、光熱費を合計するとさらに高くなってしまいます。

暖房代が高くなる理由や効率的な暖房の方法を知って、少しでも節約したいものですよね。

今回は電気のスペシャリストが、冬の電気代について解説。地域別・世帯別の電気代の相場から冬の電気代の節約のコツまでを紹介しますので、電気代を抑えたい方はぜひ参考にしてください。

※本記事の内容は2025年4月時点の情報です

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冬(1~3月期)の電気代の平均は?

総務省の家計調査によると、2024年の冬(1~3月期)の電気代の平均は、10,974円でした。以下は、2024年の電気代の平均(総世帯)を月期ごとにまとめた表です。

年月期 総世帯の電気代の平均
2024年1~3月期 10,974円
2024年4~6月期 9,133円
2024年7~9月期 10,013円
2024年10~12月期 9,645円

上記を見て分かる通り、一年を通して最も電気代が高い傾向にあるのは冬です。2024年のこの時期は、政府による「電気・ガス激変緩和事業」が実施されており、使用量に応じて電気代が値引きされていましたが、それでも年間で見ると高くなっています。冬と同じく空調が欠かせない夏と比べても、約1,000円の差があります。

これは冬から春にかけて、全国的に暖房が使われていることが影響しているためです。エアコンやこたつの他に、消費電力の大きいオイルヒーターを併用して使っている家庭の電気代は、さらに高くなる可能性があります。

※参考:総務省.「家計調査 家計収支編 総世帯」.https://www.e-stat.go.jp/dbview?sid=0003000799 ,(2025-04-25).

※経済産業省.「2024年春までの電気・ガス価格激変緩和対策の継続に伴い、電気・都市ガス料金の値引きを行うことができる特例認可を行いました」.https://www.meti.go.jp/press/2023/12/20231213001/20231213001.html ,(2025-04-30).

※経済産業省.「電気・ガス料金支援」.https://denkigas-gekihenkanwa.go.jp/ .(2025-04-30).

【世帯人数別】冬(1~3月期)の電気代

続いて、世帯人数別で2022年から2024年の冬(1~3月期)の電気代の平均を見てみましょう。

世帯人数 単身世帯 2人世帯 3人世帯 4人世帯 5人世帯 6人以上の世帯
2022年1~3月期の
電気代の平均
7,749円 13,216円 15,320円 16,286円 18,467円 21,186円
2023年1~3月期の
電気代の平均
9,340円 15,577円 18,356円 19,941円 21,763円 27,267円
2024年1~3月期の
電気代の平均
7,150円 12,044円 13,762円 14,092円 16,305円 19,972円

2022~2024年のうち、単身世帯を除いたいずれの世帯人数でも、冬の電気代は1万~2万円台になっていることが分かります。

1万円を切っている単身世帯でも、年間で電気代が一番安くなる4~6月期と比べると、2024年は1,311円高くなっています。なお、どちらの時期も政府による「電気・ガス価格激変緩和対策事業」によって電気代が値引きされていましたが、それでも冬の方が高くなっているのです。世帯人数を問わず、冬は電気代が家計を圧迫することが分かるでしょう。

なお、「6人以上」の世帯には7~10人以上の世帯も含まれるため、平均値は大幅に高くなっています。

※参考:総務省.「家計調査 1世帯当たり1か月間の収入と支出 第4表(2022年1~3月期)」.https://www.e-stat.go.jp/stat-search/files?page=1&layout=datalist&toukei=00200561&tstat=000000330001&cycle=2&year=20220&month=11010300&tclass1=000000330001&tclass2=000000330019&tclass3=000000330020&result_back=1&tclass4val=0 ,(2025-04-25).

※参考:総務省.「家計調査 1世帯当たり1か月間の収入と支出 第4表(2023年1~3月)」.https://www.e-stat.go.jp/stat-search/files?page=1&layout=datalist&toukei=00200561&kikan=00200&tstat=000000330001&cycle=2&year=20230&month=11010300&tclass1=000000330001&tclass2=000000330019&tclass3=000000330020&result_back=1&tclass4val=0 ,(2025-04-25).

※参考:総務省.「家計調査 1世帯当たり1か月間の収入と支出 第4表(2024年1~3月)」.https://www.e-stat.go.jp/stat-search/files?page=1&layout=datalist&toukei=00200561&tstat=000000330001&cycle=2&year=20240&month=11010300&tclass1=000000330001&tclass2=000000330019&tclass3=000000330020&cycle_facet=tclass1%3Atclass2%3Atclass3%3Acycle&tclass4val=0&metadata=1&data=1 ,(2025-04-25).

※参考:総務省.「家計調査 家計収支編 単身世帯」.https://www.e-stat.go.jp/dbview?sid=0003000773 ,(2025-04-25).

※参考:経済産業省.「電気・ガス価格激変緩和対策の実施のため、電気・ガス料金の値引きを行うことができる特例認可を行いました」.https://www.meti.go.jp/press/2022/12/20221216004/20221216004.html ,(2025-04-30).

※参考:経済産業省.「2024年春までの電気・ガス価格激変緩和対策の継続に伴い、電気・都市ガス料金の値引きを行うことができる特例認可を行いました」.https://www.meti.go.jp/press/2023/12/20231213001/20231213001.html ,(2025-04-30).

【地域別】冬(1~3月期)の電気代

地域別でも、冬の電気代を見てみましょう。2022年から2024年にかけての地域別の電気代の平均は、以下のようになっています。

地域 2022年の1~3月期の
電気代平均金額
2023年の1~3月期の
電気代平均金額
2024年の1~3月期の
電気代平均金額
北海道地方 12,905円 18,472円 11,611円
東北地方 13,889円 16,960円 13,354円
関東地方 11,863円 13,933円 11,323円
北陸地方 14,620円 18,127円 13,829円
東海地方 12,679円 15,950円 10,465円
近畿地方 12,545円 13,815円 9,548円
中国地方 13,149円 16,167円 12,012円
四国地方 11,933円 13,486円 10,740円
九州地方 10,959円 12,566円 9,428円
沖縄地方 6,990円 7,663円 6,430円

その年によって地域ごとの電気代の平均は異なりますが、北海道地方や東北地方、北陸地方、中国地方といった豪雪地帯は暖房を使う期間が長いため、おおむね電気代が高めの傾向にあります。

また九州地方や沖縄地方などの温暖な地域は、比較的電気代が安めの傾向にあります。

※参考:総務省.「家計調査 家計収支編 総世帯 第2表」.https://www.e-stat.go.jp/dbview?sid=0003000800 ,(2025-04-25).

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冬の電気代はなぜ高い?

先述したように、冬の電気代は他の季節に比べて圧倒的に高いです。エアコンを使うのは夏も同じなのに、ここまで違うのには、きちんと理由があるのです。

冷房より暖房の方が消費電力が大きい

エアコンは、寒い部屋を一気に暖めるときと、暑い部屋を一気に冷やすときにたくさんの電気を使います。つまり、外気温と設定温度の差が大きいほど電気代が高くなるのです。

冬と夏を比べると、

  • 真冬日:0℃/暖房の推奨設定温度20℃ →18℃差
  • 真夏日:30℃/冷房の推奨設定温度28℃ →2℃差

近年の夏は気温が40℃に迫る日もあるものの、それでも外気温と設定温度の差は冬の方がずっと大きいのです。

さらに冬は、エアコン+ファンヒーター、エアコン+こたつ、エアコン+電気カーペットなどを併用したり、就寝時に電気毛布やふとん乾燥器を使ったりと、複数種類の暖房器具を使うことが多いです。
夏はエアコンのみで過ごす家庭も多いので、その点も電気代の差につながる一因です。

照明を使う時間が長い

日の出・日の入りの時間は地域差があるものの、冬は7時頃に明るくなり、17時台には暗くなります。外が明るい時間が夏よりも数時間短いので、照明を使う時間も自然と長くなります。

温かい料理が増える

寒くなると温かいものが食べたくなり、煮込み料理や鍋料理、オーブン料理が増えます。コンロやオーブンの使用時間が長くなるので、IH調理器を使っている家庭は特に電気代が上がりやすいです。
保温調理器を使うなど、電力を使わない工夫をすると節約になります。

オール電化の場合、さらに影響大

オール電化の場合、お風呂のお湯を沸かすのも電力です。冬は水温が低く、冷めやすいので、お風呂を沸かしたり、保温や追い焚きをしたりするのにも夏以上の電力を使います。
キッチンでの調理も当然IHですので、冬の電力消費量はかなり増えます。

冬の暖房費節約のための基礎知識

暖房に使う消費電力を減らすことが、冬の電気代節約への近道。消費電力の少ない暖房器具をいかにうまく活用するかがポイントです。

暖房器具の消費電力

電気を使う暖房器具の電気代を高い順に以下に示します。

  • オイルヒーター:40.5円(1500w)
  • 電気ファンヒーター:32.4円(1200w)
  • エアコン:17.55円(650w)
  • こたつ:8.1円(300w)
  • 電気カーペット:6.21円(230w)
  • 石油ファンヒーター:3.4円(129kw)※灯油代別途
  • 電気毛布:1.512円(56w)

オイルヒーターが高いことは良く知られていますが、電気ファンヒーターもかなり高め。実はエアコンは必ずしも高いわけではないのです。また、灯油を使う石油ファンヒーターが電気毛布より高いのも意外です。
比較することで、イメージではなく知識で理解できるようになります。

暖房器具を効率良く使う方法

単に消費電力の少ない暖房器具を使うだけでは、非効率になったり、快適さが損なわれたりします。
以下のような方法を覚えておくと役に立ちます。

  • エアコンの設定温度を下げ、サーキュレーターを併用して暖かい空気を循環させる。
  • エアコンなど空気を暖める器具と、こたつなど体を直接暖める器具を併用する。
  • ファンヒーターは窓際に置き、冷気が室内に入り込まないようにする。
  • こたつ布団を複数枚重ね、暖気が逃げないようにする。
  • ホットカーペットは節電モードにし、座っている面積だけONにする。

熱が逃げないようにするのが鉄則なので、

  • 室内のドアを開けっ放しにせず、暖気が逃げないようにする。
  • 窓に断熱シートなどを貼り、外気温の影響を受けにくいようにする。

といった方法も試していきましょう。

厚着や防寒具による対策

  • 厚着をする
  • 首や足元を温めるグッズを使う
  • カイロを使う

といった方法で体を温めると、暖房の設定温度を少し低くしても快適に過ごせるため、暖房代の節約につながります。

節約効果の大きい、新電力への乗り換え

電気代が高い冬は、節電意識が高まるシーズン。大幅な節約を目指すなら電力会社を乗り換えるのもおすすめです。

すでに新電力を使っている場合でも、キャンペーンなどで契約特典が大きくなっているタイミングや電気料金に応じたポイント付与がある会社を狙うと節約効果は高いです。

しかし、電気代を値上げをする会社が増えているので、

  • 値上げ時に再度の乗り換えがしやすいよう、解除料のかからない会社を選ぶ
  • 値上げが発表されていないか確認する

といった点に注意しておきましょう。

TERASELでんきは安さだけでなく、解除料がなく楽天ポイントがたまることでも好評をいただいています。

大手エネルギー商社である伊藤忠エネクスのグループ会社で電力供給も安定していますので、乗り換えをご検討の際はシミュレーションをご利用ください。集合住宅で大家さんが一括徴収しているようなケースを除き、誰でも自由に電力会社を乗り換えられます。

この記事を書いた人

野中 康平
野中 康平マーケティング室 室長
大学在学中、発展途上国でのボランティア活動がきっかけで
伊藤忠エネクスに入社。
入社後は一貫して電力ビジネスに携わり、電力ビジネス領域における大規模システム構築を実現。
電力のスペシャリストとして電力ビジネスの拡大に尽力している。
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