投稿日:2025/09/24
更新日:2025/09/24
でんきの豆知識
炊飯器の電気代は、種類や使用しているモード、使用時間によって大きく変わります。そのため、「炊飯器の電気代がどのくらいかかっているのか」「節約するには何を見直せば良いのか」と悩んでいる方は多いのではないでしょうか。
炊飯器の電気代は、1ヶ月あたり約114.3円~174.0円となっています。
また、炊飯器の種類ごとに電気代を比較した結果は、下記のとおりです。
| 炊飯器_炊飯(1回) | 電気代の目安、1回あたり(※) | 電気代の目安、1ヶ月あたり(※) |
|---|---|---|
| マイコン炊飯器 | 約3.81円〜5.08円 | 約114.3円〜152.4円 |
| IH炊飯器 | 約4.59円〜6.17円 | 約137.7円〜185.1円 |
| 圧力IH炊飯器 | 約4.31円〜5.80円 | 約129.3円〜174.0円 |
炊飯器を選ぶ際に見るべきポイントや、電気料金の見直しによる節約についても触れているため、ぜひ参考にしてみてください。

炊飯器の電気代は、種類によって変動します。それぞれの電気代の目安を把握しておけば、購入時や買い替え時にランニングコストを見据えた製品選びがしやすくなります。
炊飯器の種類は、以下の3タイプです。
| 炊飯器_炊飯(1回) | 電気代の目安、1回あたり(※) |
|---|---|
| マイコン炊飯器 | 約3.81円〜5.08円 |
| IH炊飯器 | 約4.59円〜6.17円 |
| 圧力IH炊飯器 | 約4.31円〜5.80円 |
それぞれの電気代の目安を炊飯・保温に分けて紹介します。
マイコン炊飯器は、底部に取り付けられたヒーターで内釜を加熱し、ご飯を焚き上げるタイプです。機能・構造がシンプルで比較的リーズナブルな価格で購入できますが、底部のヒーターでしか加熱できないため、炊きムラが出やすいとされています。
マイコン炊飯器を使用した場合の、炊飯1回分と保温1時間分の電気代の目安は、以下のとおりです。
| 使用モード | 消費電力量(Wh) | 電気代の目安(※) |
|---|---|---|
| 炊飯(1回) | 約123Wh〜164Wh | 約3.81円〜5.08円 |
| 保温(1時間) | 約11.5Wh〜20.7Wh | 約0.36円〜0.64円 |
※公益社団法人 全国家庭電気製品公正取引協議会が定めている電力料金単価31円/kWhを基に算出しています。
※ジャー炊飯器 マイコン5.5合以上8合未満で電気代を算出しています。
上記の炊飯器で1日1回炊飯する場合、1カ月(30日)の電気代の目安は約114.3円〜152.4円です。保温時間が長くなれば長くなるほど、電気代も増えていきます。
(参考:公益社団法人全国家庭電気製品公正取引協議会『カタログなどに載っている電力料金の目安単価とは何ですか?』)
(参考:省エネ型製品情報サイト(経済産業省 資源エネルギー庁)『2025年7月1日 省エネ性能カタログ電子版 アーカイブ』)
IH炊飯器は、IHコイルの磁力線で内釜を発熱させてお米を炊くタイプです。複数箇所から均一に加熱できるため、ふっくらとした炊き上がりになります。
IH炊飯器の炊飯1回、保温1時間の電気代の目安は、以下のとおりです。
| 使用モード | 消費電力量(Wh) | 電気代の目安(※) |
|---|---|---|
| 炊飯(1回) | 約148Wh〜199Wh | 約4.59円〜6.17円 |
| 保温(1時間) | 約13.7Wh〜22.1Wh | 約0.42円〜0.69円 |
※公益社団法人 全国家庭電気製品公正取引協議会が定めている電力料金単価31円/kWhを基に算出しています。
※ジャー炊飯器 IH5.5合以上8合未満で電気代を算出しています。
強い火力で炊き上げるため、炊飯・保温時の消費電力量はマイクロ炊飯器より高く、電気代も高くなる傾向です。
(参考:公益社団法人全国家庭電気製品公正取引協議会『カタログなどに載っている電力料金の目安単価とは何ですか?』)
(参考:省エネ型製品情報サイト(経済産業省 資源エネルギー庁)『2025年7月1日 省エネ性能カタログ電子版 アーカイブ』)
圧力IH炊飯器は、IH加熱に圧力を加えてお米を炊き上げるタイプです。具体的には、圧力によって沸点を高め、高温で一気に炊き上げます。芯までしっかり火が通るため、もっちりとした食感に仕上がるのが特徴です。
圧力IH炊飯器の炊飯時・保温時の電気代の目安は、以下のとおりです。
| 使用モード | 消費電力量(Wh) | 電気代の目安(※) |
|---|---|---|
| 炊飯(1回) | 約139Wh〜187Wh | 約4.31円〜5.80円 |
| 保温(1時間) | 約12.7Wh〜21.4Wh | 約0.39円〜0.66円 |
※公益社団法人 全国家庭電気製品公正取引協議会が定めている電力料金単価31円/kWhを基に算出しています。
※ジャー炊飯器 圧力IH5.5合以上8合未満で電気代を算出しています。
今回のシミュレーションでは、圧力IH炊飯器が比較的電気代を抑えられる結果になりました。ただし、炊飯1回当たりの消費電力量は、IH炊飯器より高くなる傾向があります。
(参考:公益社団法人全国家庭電気製品公正取引協議会『カタログなどに載っている電力料金の目安単価とは何ですか?』)
(参考:省エネ型製品情報サイト(経済産業省 資源エネルギー庁)『2025年7月1日 省エネ性能カタログ電子版 アーカイブ』)

炊飯器の電気代を抑えたいと思っている方は多いのではないでしょうか。電気代は、少しの工夫で抑えられる場合があります。
例えば、保温時間を短くしたり省エネ機能をうまく活用したりと、日々の使い方を見直すだけでも節約できる可能性があります。まずは毎日の使い方を見直し、電気代のムダを減らしていきましょう。
保温機能は待機中も電力を消費し続けるため、使い過ぎには注意が必要です。経済産業省資源エネルギー庁の「省エネポータルサイト」では、保温時間は4時間以内にとどめるよう推奨しています。
また、炊飯器で4時間保温し続けるよりも、食べる直前に電子レンジで温め直した方が電気代を抑えられると記載されています。
例えば、3合炊いて1.5合を食べ、残りを4時間後に保温してから食べた場合の消費エネルギーを224Whとすると、電気代は約6.94円です。
一方、冷蔵後に電子レンジで温め直すときの消費エネルギーを193kWhとすると、電気代は約5.93円 で済みます。 わずかな差でも積み重なれば節約につながるため、保温時間を見直してみましょう。
炊飯器を使用していないときは電源プラグを抜き、待機電力の発生を抑えましょう。待機電力とは、
電化製品を使用していなくても、コンセントに差し込んでいるだけで消費される電力のことです。
経済産業省資源エネルギー庁の「省エネ性能カタログ2024年版」によると、5.5合以上8合未満のIH炊飯器の待機電力は平均で0.76Wh/hとなっています 。この炊飯器を24時間コンセントにつなぎっぱなしにした場合、電気代は約0.57円 です。
わずか約0.76円だと感じるかもしれませんが、年単位に換算すると「約0.57円×365日」で約208円になります。使用後は電源プラグを抜く習慣をつけ、ムダな電気代を減らしていきましょう。
(参考:経済産業省 資源エネルギー庁『省エネ性能カタログ2024年版』)
まとめ炊きをして使用回数を減らしてみましょう。炊飯時は、保温や待機よりも多くの電力を消費します。そのため、数日分まとめて炊飯すれば電気代を抑えられる場合があります。
「省エネ性能カタログ2024年版」によると、IH炊飯器(5.5合以上8合未満)の炊飯・保温・待機時の平均消費電力量は以下のとおりです。
| 使用モード | 平均消費電力量 |
|---|---|
| 炊飯 | 162.5Wh/回 |
| 保温 | 16.70Wh/h |
| 待機 | 0.76Wh/h |
このように、3つのモードのうち炊飯が最も電力を消費します。電気代を抑えるためにも、なるべくまとめ炊きすることを心がけましょう。また、保温時の消費電力を抑えるためにも、食べきれない分はラップで包んで冷凍保存しておきましょう。
(参考:経済産業省 資源エネルギー庁『省エネ性能カタログ2024年版』)
エコ炊飯モードを活用すると炊飯時の消費電力量を抑えられるため、電気代節約につながります。エコ炊飯モードとは、通常モードより火力を抑えてお米を炊き上げるモードです。火力がやや弱い分、消費電力が少なくなるため、毎日使用すれば大きな節約につながる場合があります。
例えばある炊飯器は、3合のお米を炊くときに通常の炊飯モードだと約180Wh/回、エコ炊飯モードだと約149Wh/回となり、1回で約31Whの節電が可能です。
電力をどのくらい抑えられるかはメーカーによって異なるため、取扱説明書や家電量販店 などで確認してみましょう。
炊飯器を長く使っている場合は、買い替えを検討しましょう。近年の炊飯器は、技術の進化により加熱効率や保温性能が見直されており、消費電力を抑えてご飯を炊ける設計になっている傾向があります。
メーカーごとに違いはありますが、年式の新しいモデルの方が省エネ性能が高い場合があるため、数年前のモデルを使用している場合は買い替えを検討してみましょう。
また、炊飯器の寿命は約3年〜6年 のため、使い続けていると何らかの不具合が生じる可能性があります。例えば、異音や異臭、内釜のコーティングの剥がれなどは劣化のサインです。炊き上がりやご飯の美味しさにも影響するため、早めに買い替えると良いでしょう。
炊飯器は毎日使用する電化製品だからこそ、高性能で扱いやすいものを選ぶことが大切です。なんとなくで選んでしまうと、うまく炊き上がらなかったり、余計な電気代がかかったりする可能性があります。

電気代を抑えながら毎日の食事を楽しむためにも、購入前にチェックしておきたい5つのポイントを確認しておきましょう。
省エネ性能に優れた炊飯器を選び、消費電力を抑えましょう。炊飯器は毎日使う電化製品のため、消費電力が多ければ電気代が高くなります。炊飯器の種類や最大容量などが同じであっても、省エネ性能が高いものを選べば節約効果が得られるでしょう。
省エネ性能が高いモデルかどうかは「省エネ性能カタログ」に記載されている省エネ基準達成率で確認できます。
省エネ基準達成率とは、省エネ法で定められた省エネ目標基準に対して、どのくらいクリアしているのかを示す数値 です。また、省エネ基準達成率が100%を超えている製品にはグリーンのマーク、100%未満の製品にはオレンジのマークが表示されています。
以下は、省エネ性能カタログから抜粋した省エネ性能が高いモデルの一覧です。
| 炊飯器の種類(5.5合以上8合未満) | メーカー/ブランド | 省エネ基準達成率 |
|---|---|---|
| マイコン炊飯器 | Haier/マイコンジャー炊飯器(JJ-M56A) | 131% |
| アイリスオーヤマ/IHジャー炊飯器 5.5合(RC-MD50-W) | 122% | |
| IH炊飯器 | アイリスオーヤマ/IH ジャー炊飯器 5.5 合(SHK-ED50E3-W) | 116% |
| ZOJIRUSHI/極め炊き(NP-XB10-WA | 113% | |
| 圧力IH炊飯器 | ZOJIRUSHI/極め炊き(NP-ZU10-TD) | 110% |
| 東芝/真空圧力IHジャー炊飯器(RC-10RWA) | 112% |
省エネ基準達成率が高い炊飯器ほどエネルギー消費量が少なくなるため、電気代の節約につながります。
(参考:一般社団法人 日本電機工業会『省エネ基準達成率』)
(参考:経済産業省 資源エネルギー庁『省エネ性能カタログ2024年版』)
炊飯器に搭載されている機能・モードも確認しましょう。主な搭載機能・モードには、以下のようなものがあります。
| 搭載機能・モード | 詳細 |
|---|---|
| 炊き分け | お米の銘柄や種類、食感の好みに応じて炊き上がりを調整できる |
| 早炊き | 通常より短時間で炊き上げる |
| エコ炊飯 | 通常より火力を弱めにして炊き上げる |
| 保温 | 炊き上がったご飯を保温する |
| 少量モード | 少ない量でもムラなく美味しく炊き上げる |
| タイマー予約 | 指定した時間に炊き上がるよう設定できる |
| 蒸気レス | 炊飯時の蒸気を抑え、炊飯器近くの家具や壁の劣化を防ぐ |
| 調理モード | ケーキやパンの調理、煮込み料理などで活用できる |
製品によって搭載されている機能はさまざまで、使い方やライフスタイルに合ったものを選べば、より満足度の高い調理がしやすくなります。電気代を抑えるなら、エコ炊飯モードが搭載されているものを選ぶと良いでしょう。
世帯人数や食べる量に応じて炊飯器を選びましょう。容量が適切でなければ、炊いたご飯を余らせたり、炊く回数が増えて電気代が高くなったりする可能性があります。
目安としては、1人〜2人暮らしであれば3合〜3.5合炊きがおすすめです。3人以上の世帯であれば、5.5合炊きが適しています。食べ盛りの子どもやご飯をよく食べる家族がいる場合、3合炊きでは足りなくなる場合があるため、5.5合炊きを選ぶと良いでしょう。
5人以上の世帯では、1升炊きのモデルが適しています。一度に多く炊けるため、何度も炊飯する手間が省けて家事効率の向上が期待できるだけでなく、電気代節約にもつながります。
炊飯器を清潔に保つためにも、洗いやすいものを選びましょう。炊飯器は毎日使用する電化製品であり、使ったあとは隅々までしっかり洗う必要があります。
パーツが多いとお手入れの手間が増えます。パーツが少なくシンプルな構造の炊飯器であれば、洗いやすいだけでなく汚れが蓄積しにくいでしょう。また、外蓋と中蓋が一体化になっているものは、使用後に汚れを拭き取る作業が発生します。中蓋が取り外せるタイプを選べば、日々のお手入れが楽になります。
内釜の素材にも注目しましょう。例えばフッ素加工が施されている内窯の炊飯器は、ご飯がこべりつきにくく、洗いやすいというメリットがあります。毎日使うからこそ、洗いやすい内釜の炊飯器を選びましょう。
ご飯の美味しさにもこだわって選びましょう。現在の主流であるIH炊飯器は、内釜の底だけでなく横からも加熱するため、炊きムラが出にくい傾向があります。炊き分けや調理モードなどの便利な機能が搭載されている製品もあり、好みや用途に応じた使い方が可能です。
また、ご飯の美味しさは内釜の素材によっても変化します。主に使用されている素材は、以下のとおりです。
| 素材 | 特徴 |
|---|---|
| 鉄 | 発熱効率に優れており、高火力でふっくら炊き上げる |
| 銅 | 炊きムラが起こりにくく、ツヤのあるご飯が炊き上がる |
| 炭 | 発熱効率に優れており、炊きムラが起こりにくい |
| 土鍋 | 適温になるまで時間がかかるものの、遠赤外線効果で芯までふっくら炊き上がる |
| 金属多層 | IH加熱との相性が良く、ふっくら炊き上がる |
メーカーによって炊き上がりは異なるため、購入前に特徴を確認しておきましょう。
炊飯器の電気代は、使い方の工夫だけでなく、契約中の電気料金プランを見直すことで節約できる場合があります。
毎月の電気代を算出するときに使用するのが、以下の3項目です。
電力会社によっては、基本料金を0円にしていたり、電気を使用するほどお得になるプランを導入していたりします。例えば、電気使用量が1カ月当たり約500kWhのご家庭で超TERASELプランに変更した場合、年間で約1万6,000円節約できる可能性があります。
※東京電力エナジーパートナーの従量電灯B 40Aと超TERASEL東京Bで試算しています。
※燃料費調整額および再生可能エネルギー発電促進賦課金は含まれておりません。
電力会社によって料金は異なるため、まずは複数の料金プランを確認して価格やサービス内容を比較してみましょう。
(参考:経済産業省 資源エネルギー庁『月々の電気料金の内訳』)
炊飯1回あたりの電気代は、約3.81円〜5.08円が目安です。
なお、ジャー炊飯器 IH5.5合以上8合未満で計算しています。
炊飯器の電気代を安くする節約術は5つあります。
もし電気代が高いかな?と思ったら意識してみましょう。
炊飯器の電気代は、種類や使い方などによって変動します。まとめ炊きで炊飯回数を減らしたり、保温時間を4時間以内にとどめたりするなど、今日からできる節約方法を実践してみましょう。電気料金を抑えたい方は、電気料金プランの見直しもおすすめです。
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