電気自動車の電気代はどのくらい?安く抑えるポイントも紹介

投稿日:2025/09/24

更新日:2025/09/24

でんきの豆知識

「電気自動車の充電にかかる電気代はどのくらいなのか」「ガソリン車より本当にお得なのか」と疑問に思っている方は多いのではないでしょうか。

電気自動車にかかる電気代は、充電場所や充電方式、運転の仕方などによって異なります。家計の光熱費を少しでも抑えるには、事前に節約方法を把握して実践することが大切です。

1回充電した場合
  • 自宅で充電する場合:約2,213円
  • 充電スポットで充電する場合:約500円〜1万円

また1ヶ月試算の場合は下記のようになります。

1カ月370km走行した場合

電費7km/kWhの電気自動車で1カ月370km走行した場合:約1,639円

上記の通り、自宅で充電する場合と充電スポットで充電する場合で、費用が変わるため優先度に応じて選択しましょう。

電気自動車にかかる電気代 の目安

電気自動車にかかる電気代 の目安

電気自動車にかかる電気代は、自宅で充電するのか充電スポットを利用するのかで変わってきます。また、車種や走行距離によっても変動するため、一概には言えません。そのうえで、大まかにかかる費用を把握しておけば、ランニングコストをイメージしやすくなります。

自宅で充電する場合

自宅充電の電気代は、1回当たり約600円〜3,000円が目安です。

電気代は「バッテリー容量(kWh) × 電気料金単価(円/kWh)」で計算します。

電気代の計算式

「バッテリー容量(kWh) × 電気料金単価(円/kWh)」

例えば、バッテリー容量71.4kWhの電気自動車を、残量ゼロから満充電にした場合の電気代は下記のとおりです。

71.4kWh×31円/kWh=約2,213円

※現在の電気料金単価は、全国家庭電気製品公正取引協議会によって31円/kWh となっています。

したがって、1回の満充電にかかる電気代は約2,213円です。

また、上記のようなバッテリーの容量から1回あたりの充電費用を求める方法 もありますが、1ヶ月単位での概算を知る方法もあります。

それは、走行距離から電気代を試算する方法で、計算式は「走行距離 ÷ 電費 × 電気料金単価(31円)」となります。

1ヶ月あたりの走行距離に対する電気代の計算式

「走行距離 ÷ 電費 × 電気料金単価(31円)」

例えば、電費7km/kWhの電気自動車で1カ月370km走行した場合の計算式は、下記のとおりです。(電費:1kWh当たりの走行距離のこと)

370km ÷ 7km/kWh × 31円=約1,639円

ただし、実際の電気代は走行距離や車種によって異なるため一概には言えないため、あくまで目安として参考にしてください。

(参考:公益社団法人 全国家庭電気製品公正取引協議会『カタログなどに載っている電力料金の目安単価とは何ですか?』)
(参考:一般社団法人 日本自動車工業会『2023年度 乗用車市場動向調査』)

充電スポットを利用する場合

充電スポットを利用する場合の電気代は、1カ月当たり約500円〜1万円です。充電スポットの料金は、基本料金(月額)と都度利用料金(分単位)の2つで構成されています。

具体的には、充電カードでユーザー認証をし、充電時間に応じた都度料金を支払う仕組みです。都度料金は分単位で設定されており、普通充電と急速充電で料金が異なります。充電カードがない場合はビジター利用が可能ですが、料金がやや高めに設定されているのが一般的です。

なお、電気自動車の普及や店舗への集客を目的に設置されたスポットでは、無料で充電できる場合があります。

充電スポットは全国約2万1,000カ所に点在しており、ガソリンスタンドやカーディーラー、スーパーマーケットなどに設置されています。
なお、カーディーラーでの充電はそのメーカーの車でなければ使用できない場合があるため注意しましょう。以下は、大手メーカーの他社車種の充電可否をまとめたものです。

メーカー 他社車種の充電可否
トヨタ
日産
三菱 可能な店舗もあり
スズキ 不明(Webサイトに記載なし)
レクサス
(TOYOTAアカウントの登録必須)

ただし、店舗によっては他社車種の充電が不可なケースもあるため、正確な利用可否については事前にディーラーへ直接確認することをおすすめします。

(参考:一般社団法人 次世代自動車復興センター『どこで充電できるの?』)

(参考:日産『日産販売店のEV充電器は、日産車以外の電気自動車も充電できるか教えて。』)

(参考:E-TOYOTA Life『EVライフスタイル:トヨタのお店』)

(参考:九州三菱自動車販売株式会社(電気自動車)『【充電器ご利用のお客様へご案内】)

(参考:LEXUS BEV(電気自動車)『レクサス充電ステーション』)

自宅と充電スポットはどちらがお得?

電気代だけで比較すると、自宅充電の方が充電スポットよりもお得に利用できます。

少しでも電気代を安くしたい 充電スピードを優先したい
自宅充電
充電スポット

前述のとおり、自宅充電の電気代は、1回当たり約600円〜2,000円となっているのに対し、充電スポットは1カ月当たり約500円〜1万円となっています。

ただし、自宅充電は満充電までの時間が長い点に注意しましょう。

自宅充電では、3kWの普通充電設備を使うのが一般的です。
普通充電のコンセントを使用した場合、満充電まで20時間以上かかるケースもあります。

一方、公共の充電スポットでは急速充電設備が設置されており、1時間程度で80%まで充電できる場合があります。

電気代だけで比較すれば自宅充電の方がお得ですが、自宅充電は充電設備の設置費用を考慮する必要があるため、実際のコストは数年単位で見なければ判断できません。
日常的に充電する回数が多い人ほど自宅充電の経済メリットは大きく、逆に利用頻度が少ない場合は充電スポットを使う方が合理的なケースもあります。

(参考:公益社団法人 全国家庭電気製品公正取引協議会『カタログなどに載っている電力料金の目安単価とは何ですか?』)

電気自動車とガソリン車のコスト比較

電気自動車とガソリン車のコスト比較

電気自動車よりもガソリン車の方が、年間のエネルギーコストは高くなる傾向があります。
具体的な電気自動車とガソリン車のエネルギーコストの差は、約7万2,400円です。

その例として、電費7km/kWhの電気自動車と燃費15km/Lのガソリン車の年間エネルギーコストを比較しました。

車種 1万km走行に必要な容量 年間エネルギーコスト
電気自動車 約1,428kWh
(1万km ÷ 7km/kWh)
約4万4,268円
(約1,428kWh × 31円/kWh)

※電気単価料金31円で算出

ガソリン車 約667L
(1万km ÷ 15km/L)
約11万6,658円
(約667L × 174.9円)

※2025年8月12日時点のレギュラーガソリン価格174.9円で算出

電気自動車は動力をモーターで得るため、ガソリン車のように燃料を燃やして熱に変換し、動力を得る過程がありません。そのためエネルギーのロスが少なく、ランニングコストを抑えられます。

(参考:公益社団法人 全国家庭電気製品公正取引協議会『カタログなどに載っている電力料金の目安単価とは何ですか?』)

(参考:経済産業省 資源エネルギー庁『1.給油所小売価格調査(ガソリン、軽油、灯油)』)

充電方式による電気代の違い

電気自動車の充電方式は、普通充電と急速充電の2種類があり、それぞれ利用シーンや電気代の目安が異なります。

急速充電を常に使用すると、1回当たりの電気代が高くなる場合があるため注意が必要です。それぞれの特徴と費用感を把握することで、状況に応じた使い分けが可能になります。

充電の種類 メリット デメリット
普通充電 充電にかかる電気代を抑えられる 充電時間が長い
急速充電 充電時間を短縮できる 普通充電より料金が高い

普通充電

普通充電は、100V〜200Vの交流電圧を利用してバッテリーに電力を供給する方式です。出力が低いため満充電までに数時間かかりますが、分単位の料金は急速充電に比べて安めに設定されています。

料金の相場は1分当たり約3円〜4円 で、急速充電よりも1回当たりの電気代を抑えられます。ただし、運営会社によっては1分当たり約4円〜5円 の場合もあるため、事前に料金を確認しておいた方が良いでしょう。

普通充電は、主に自宅や職場など長時間駐車する場所での充電のほか、外出先や観光地などで利用されます。

急速充電より充電時間が長いため、時間に余裕があるときは、電気代節約のためにも普通充電を利用すると良いでしょう。

急速充電

急速充電は、50kW程度の大きな電力で充電する方式です。電流を直接バッテリーに送り込むため、電力変換のロスが少なく充電時間を短縮できます。

短時間で充電できる点はメリットですが、料金が比較的高めな点はデメリットです。相場は1分当たり約20円〜40円 となっており、普通充電の料金の10倍以上に及ぶケースがあります。

中には50円〜60円 に設定されている場所もあり、頻繁に利用すると年間のランニングコストが大きく膨らむ可能性があります。そのため、主に高速道路のサービスエリアや急なバッテリー不足といった場面での利用が中心です。買い物の合間に充電できるよう、ショッピングモールなどで設置されていることもあります。

電気自動車の電気代を安く抑える5つのポイント

電気自動車の電気代を安く抑える5つのポイント

電気自動車はガソリン車に比べて電気代を抑えやすいものの、充電場所や運転の仕方などによって変動します。電気代は家計に占める割合が高いため、日々の工夫でコストを削減できれば経済的な負担の軽減が期待できるでしょう。

無料の充電スポットを活用する

無料で利用できる充電スポットがあれば、積極的に活用すると良い でしょう。商業施設や道の駅、自治体の公共施設などでは、集客や電気自動車の普及活動の一環として充電スポットを設置している場合があります。

観光や買い物のついでに利用すれば、待ち時間を有効活用できるだけでなく、自宅や有料スポットでの利用を減らせるため年間のランニングコストを抑えやすくなります。

探す際は、以下のような検索サイトやアプリを活用してみてください。

Webサイト名 特徴
EV充電エネチェンジ マップ上で充電スポットが一目で分かるアプリ、口コミや稼働率も確認可能
高速充電なび 高速道路の充電スポットを探せるアプリ

ただし、無料といっても利用条件が設けられているケースがあります。例えば、有料会員サービスに加入しなければならないといった規約がある場合があります。無駄なコストをかけないよう、事前に利用条件を確認しておきましょう。

エコドライブを意識する

国土交通省が推奨している「エコドライブ10のすすめ」を意識して走行すると、電気代が節約できる場合があります。

具体的には、以下のような運転方法が推奨されています。

  • 穏やかにアクセルを踏んで燃費・電気効率を改善する
  • 加速・減速の少ない運転を心がける
  • 減速時のアクセルは早めに離す
  • エアコンの使い方を見直す

特に、暖房は冷房より多くの電力を消費する傾向があります。電気自動車は、ガソリン車のようにエンジンから排出される熱を暖房に利用できません。そのため、室内を温めるときはゼロから電気を作る必要があります。結果として電力消費量が多くなり、電気代が高くなる可能性があるのです。冬の暖房はなるべく控え、シートヒーターやステアリングシートなどで代用すると良いでしょう。

(参考:国土交通省『エコドライブ10のすすめ』)

太陽光発電を導入する

自宅に太陽光発電を導入すれば、発電した電力で電気自動車を充電できるため、電力会社が供給する電力使用量が減り、電気代を節約できます。

充電分だけでなく、住宅の電化製品を使用する分の電気代節約にもつながるでしょう。

太陽光発電のシステム設置費用の平均は、新築住宅で1kWあたり26.1万円、既存住宅で28.1万円となっています。 一般的な家庭で設置する太陽発電は4.5kWのため、初期費用は新築住宅で約117万円、既存住宅で約126万円です。

例えば、新築住宅に117万円の太陽光発電(4.5kW)を設置した場合、約10年で回収できるとされていますが、補助金制度を活用すればさらに回収年数を短縮できる可能性があります。

太陽光発電導入の損益分岐点

例えば、東京都の補助金制度の場合、4.5kW・設置費用117万円の太陽光発電に対して54万円の補助が受けられ、実質の負担額は約63万円にまで抑えられます。(※3.75kW超の既存住宅への太陽光発電設置の助成額は、12万円/kW(上限50kW未満))

この場合、回収期間は約5年となり、補助金を活用した方が経済的な負担を抑えられるでしょう。
ただし、メーカーによって回収年数や導入費用は異なるため、見積もりで業者に確認しましょう。

(参考:経済産業省 調達価格等算定委員会『令和5年度以降の調達価格等に関する意見』)

(参考:東京都 『災害にも強く健康にも資する断熱・太陽光住宅普及拡大事業 別紙』)

充電カードのプランを見直す

充電スポットを利用している場合は、充電カードのプランの見直しを検討しましょう。プランの内容や料金は、運営会社によって異なります。基本的には、月額の基本料金を支払って充電カードを発行するのが一般的です。

しかし、自宅に充電器があって外のスポットを利用する頻度が少ない場合は、基本料金を支払うプランだとかえって割高になる可能性があります。

また、運転頻度が少なくて月に1回〜2回しか充電しない場合は、カードがなくても利用できるビジター料金の方がお得になるケースがあります。

現在契約しているプランの料金体系を確認し、ビジター料金の方がお得になるのであればプランの変更を検討しましょう。

電気料金プランを見直す

電気代をさらに節約するなら、契約している電気料金プランそのものを見直すのも選択肢の1つです。電力会社によって料金体系や割引制度は異なるため、さまざまなプランを比較してどれが節約効果が高いのか確認してみると良いでしょう。

例えば、TERASELでんきの4つの料金プランのうち、市場連動型の「TERASELマーケットプラン」「TERASELマーケットあんしんプラン」は電力量料金の電源料金が30分ごとに変動するプランです。電気の需要が低い時間帯を狙って充電すれば、従量制プランよりもコストを抑えられる可能性があります。

プランを見直す際は、電気自動車の充電だけに目を向けるのではなく、すべての電化製品の使用状況を基にどれを選ぶべきか判断しましょう。充電回数やライフスタイルに合ったプランに変更することで、長期的な節約効果が期待できます。

自宅に電気自動車の充電設備を設置するときの費用

自宅で電気自動車を充電する場合、駐車場に充電設備を設置する必要があります。しかし、設置の費用相場が分からないと悩んでいる方は多いのではないでしょうか。

ここでは、コンセントタイプ・スタンドタイプ、影掛けケーブル付きタイプの3つに分けて費用相場を紹介します。予算に合った充電設備を選ぶためにも、それぞれの費用感を把握しましょう。

コンセントタイプ

コンセントに車載ケーブルを取り付けて充電するタイプです。コンセントタイプにおける本体価格の相場は約3,500円〜1万円で、比較的安価に導入できるため初期費用を抑えやすい傾向があります。

ただし、自宅にEV充電用のコンセントがない場合、新たに設置工事が必要です。工事費用を含めると、総額約10万円になるケースがあります。配線距離や分電盤の容量によってはさらに費用がかかる場合もあるため、見積もりで金額を確認しましょう。

スタンドタイプ

スタンドタイプは、専用のスタンド充電器を自宅に設置して利用するタイプです。商業施設や公共施設によく設置されています。壁への取り付け工事が不要、かつ自宅との距離を気にせず配置できるため、設置の自由度が高いのが特徴です。

本体価格は10万円以上が目安となっており、場合によっては25万円以上になる場合があります。主に車載ケーブルを利用するタイプと、専用ケーブルが本体に付属するタイプの2つがあります。

壁掛けケーブル付きタイプ

壁掛け対応の本体に車載ケーブルが付属しているタイプです。毎回ケーブルを出し入れする手間がなく、スムーズに充電ができます。住宅の美観を損なわずケーブルを収納できるため、デザイン性を重視する方にもおすすめです。

本体価格は15万円以上が目安となっていますが、自宅の壁に本体を取り付けるため設置工事費がかかります。工事費を含めると20万円以上になる場合があるため、見積もりで予算内に収まっているか確認しましょう。

よくある質問

電気自動車にかかる電気代は?

自宅で充電するか、充電スポットで充電するかで変わります。

  • 自宅で充電する場合:約2,213円
  • 充電スポットで充電する場合:約500円〜1万円

上記は、それぞれフル充電した場合での試算となっています。
車種や充電時間によっても変わるため、ご自身でご確認ください。

電気自動車で100キロ走行すると電気代はいくらですか?

電費7km/kWhの電気自動車で、1カ月100km走行した場合の計算式は、下記のとおりです。

1カ月100km走行した場合

100km ÷ 7km/kWh × 31円=約443円

実際の電気代は車種によって異なり一概には言えないため、あくまで目安として参考にしてください。

電気自動車の電気代を節約するなら「TERASELでんき」がおすすめ

電気自動車の電気代は、自宅充電はコストを抑えやすく、外の充電スポットは利便性が高い一方で料金が高めです。エコドライブの実践や電気料金プランの見直しなど、まずはできることから始めて電気代の節約を目指しましょう。

TERASELでんきは、伊藤忠エネクス株式会社の100%出資会社として設立された、株式会社エネクスライフサービスが運営しています 。TERASELでんきでは、ライフスタイルに合わせた4つのプランを提供しています。

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電気自動車の電気代を節約したい方は、切り替えを検討してはいかがでしょうか。

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