空気清浄機の電気代はどのくらい?すぐできる節約方法を解説

投稿日:2022/01/18

更新日:2025/06/05

でんきの節約術

気になるほこりや花粉、におい、ウイルスなどをきれいにしてくれる空気清浄機は、毎日の生活を快適にしてくれます。年中活躍する電化製品だからこそ、どのくらい電気代がかかっているのか気になる方も多いでしょう。

そこで本記事では、空気清浄機を使用するメリットや1カ月の電気代、節約方法などをご紹介します。空気清浄機の購入を検討している方や、なるべく電気代を節約したい方は、ぜひ参考にしてみてください。

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空気清浄機とは?

空気清浄機とは、文字通り「空気中の浮遊物を除去する家電」です。

一般的に空気清浄機は、吸入口から吸い込んだ空気をフィルターに通し、ちりやほこりなどの浮遊物を取り除いた空気を放出します。シンプルな性能のものであれば、コンパクトで比較的安価なものも多いです。

また空気清浄機には適用床面積というものがあり、パワーや機能によって使用するのに適した部屋の広さが異なります。

空気清浄機を使用する3つのメリット

メーカーや種類によって実際の効果は異なりますが、空気清浄機を使うと、一般的に以下のようなメリットがあります。

空気がきれいになる

空気清浄機を使用して浮遊物を除去することで、使用しないときよりもきれいな空気の中で生活できるようになります。

部屋の中のほこりやちりが漂って洋服や家具に付き、汚れてしまうのを抑制する効果が期待できるでしょう。呼吸時に体内へ吸い込んでしまうのを防ぐことにもつながり、快適に過ごせるようになるはずです。

嫌なにおいが減る

私たちが感じるにおいは、においの元となる物質が空気中を漂って鼻腔内に届き、脳へ信号が送られるメカニズムになっています。そのため空気清浄機を使用すると、においの元となる物質が除去されるため、消臭効果を得られるはずです。

ペットを飼っている部屋や室内でタバコを吸っている部屋の場合は、特ににおいが発生しやすいため、空気清浄機が活躍するでしょう。その他にも空気清浄機を使用すれば、ヒトの汗、食事、ゴミなど生活の中で生まれるあらゆるにおいに対して、軽減させる効果が期待できます。

疾患リスクが減る

空気中に浮遊する物質には、疾患の理由になってしまうものも多く存在します。なかでも代表的なものは、下記4点。

  • ハウスダスト
  • 花粉
  • PM2.5
  • ホルムアルデヒド

ハウスダストとは、肉眼では見えにくい1mm以下のほこりのこと。

ハウスダストや花粉は、「くしゃみ」「鼻水」「喘息」などを引き起こすアレルギーの原因物質です。PM2.5は自動車などから排出される2.5μmの微小粒子状物質のことで、肺の奥まで入ると喘息などの症状が現れる可能性があります。

空気清浄機でこれらの物質を空気中から除去することで、疾患にかかるリスクを減らせることでしょう。

また、特殊なフィルターや分解技術を搭載した空気清浄機ならば、通常のフィルターでは通り抜けてしまうような、粒子の小さなウイルスや化学物質も抑制できます。

空気中に浮遊するホルムアルデヒドといった化学物質は、シックハウス症候群(※)を引き起こします。これらは木製の家具や建築資材などから発生して、罹患すると頭痛や吐き気、呼吸困難、かゆみなどを発症させる物質です。その他にもさまざまな化学物質やウイルスが空気中に存在し、疾患の原因となっています。

全ての空気清浄機が除去できるわけではありませんが、高性能の空気清浄機ならばこれらの化学物質やウイルスにも効果的です。

※参考:一般社団法人 住宅リフォーム推進協議会.
https://www.j-reform.com/publish/pdf/sickhouse-R4.pdf ,(2025-04-28).

空気清浄機の電気代は1カ月でいくら?

一般的な空気清浄機は、エアコンなどの電化製品と比べると電気代があまりかからない家電といえます。使用する空気清浄機の消費電力によっても変わりますが、弱~中程度のモードで運転するならば20W以下、ターボなどの強力なモードでも60~90W程度のものがほとんど。

なお、電化製品の電気代は、以下で計算できます。

  • 消費電力(kW) = 消費電力(W) ÷ 1,000
  • 電気代 = 消費電力(kW) × 利用時間 × 電力量料金単価(円/kWh)

なお、1kWh当たりの電力量料金は、電力会社や料金プランによって変わるものです。もしも、契約している電気料金プランの単価が分からない場合は、全国家庭電気製品公正取引協議会が示している31円/kWhを目安としましょう(※)。

例えば、空気清浄機の消費電力が20W、使用時間が1時間、1kWh当たりの電力量料金単価が31円と仮定すると、以下のような計算になります。

電気代 = (20 ÷ 1,000)kW × 1時間 × 31円 = 0.62円

1日中使用しても、電気代は以下の通りです。

電気代 = (20 ÷ 1,000)kW × 24時間 × 31円 = 14.88円

※参考:公益社団法人 全国家庭電気製品公正取引協議会.「よくある質問 Q&A カタログなどに載っている電力料金の目安単価とは何ですか?」.https://www.eftc.or.jp/qa/ ,(2025-04-28).

運転モード(強度)別の電気代は?

運転モード(強度)によって消費電力は異なるため、電気代も変わります。例として、Panasonicとダイキンの加湿機能付き空気清浄機の消費電力と、1時間当たりの電気代を見てみましょう。なお、電力量料金単価は先述のように31円とします。

モード Panasonic(F-VXW90)の消費電力と電気代 ダイキン(MCK905A-W(-T))の消費電力と電気代
空気清浄機 強(ターボ) 88.0W(約2.7円/1時間) 84.0W(約2.6円/1時間)
中(標準) 11.0W(約0.3円/1時間) 20.0W(約0.6円/1時間)
静音(しずか) 5.5W(約0.1円/1時間) 8.0W(約0.2円/1時間)
加湿空気清浄機 強(ターボ) 65.0W(約2.0円/1時間) 91.0W(約2.8円/1時間)
中(標準) 15.0W(約0.4円/1時間) 30.0W(約0.9円/1時間)
静音(しずか) 9.3W(約0.2円/1時間) 12.0W(約0.3円/1時間)

上記のように、モードが強力になるほど消費電力が増え、電気代も高くなります。

※参考:Panasonic.「加湿空気清浄機 F-VXW90 仕様」.https://panasonic.jp/airrich/products/F-VXW90/spec.html ,(2025-04-25).

※参考:ダイキン.「空気清浄機(大型家電量販店取扱商品)仕様一覧・比較」.https://www.ac.daikin.co.jp/cleanair/ichiran ,(2025-04-25).

※参考:Panasonic.「加湿空気清浄機の電気代」.https://jpn.faq.panasonic.com/app/answers/detail/a_id/22834 ,(2025-04-25).

空気清浄機の効果を高め、電気代を節約する5つの方法

空気清浄機の効果を高め、電気代を節約する方法には以下のようなものがあります。

  • 部屋の広さに適したものを使う
  • 効果的な場所に設置する
  • エアコンや扇風機などと併用する
  • フィルターを掃除する
  • 加湿機能を使う場合は暖房の設定温度を下げる

次で詳しく解説します。

部屋の広さに適したものを使う

効果を高めるには、部屋の広さに適した空気清浄機を使うことが大切です。空気清浄機の適用床面積に対して広過ぎる部屋で使用すると、パワー不足のため効果を感じづらくなってしまうでしょう。

反対に狭過ぎる部屋に設置した場合、パワーの強い空気清浄機は比較的消費電力が高いため、無駄な電気代がかかってしまう可能性があります。電気代自体はそこまで高くないものの、不必要な出費は避けたいものです。

そのため空気清浄機を購入する際には、使用したい部屋の広さを考慮して選ぶようにしてください。

効果的な場所に設置する

空気清浄機は、部屋全体の空気を循環させられる位置に設置するのがおすすめです。空気が滞留しやすい場所へ置くと、部屋全体の空気をうまく吸入できなくなり効果が半減してしまう他、無駄なパワーを使うので余計な電気代がかかってしまいます。

他の家具や壁との位置が近く、吸気口をふさいでしまうようなレイアウトもNGです。一部分の空気ばかりを吸い込むようになってしまう可能性があります。

空気をしっかりと循環させるためには、さえぎるものがない部屋の中央など、極力広いスペースに設置するようにしましょう。

難しい場合は、ほこりが舞い上がりやすいポイントに空気清浄機を置くのもおすすめです。具体的には部屋の出入り口、立ち止まることの多いソファーやダイニングテーブル付近などが挙げられます。例えば玄関のドアの付近に設置しておけば、外から帰ってきた際に持ち込んだちりやほこりなどをしっかりとキャッチしてくれるはずです。

エアコンや扇風機などと併用する

エアコンや扇風機などをうまく併用すると、空気の循環が促されるため、空気清浄機の効果を高められます。エアコンや扇風機自体の電気代は必要ですが、効率良く空気を交換できることから、空気清浄機の電気代は比較的少なくなるはずです。

併用の際はエアコンや扇風機の風と空気清浄機の風がぶつからないよう、配置を工夫してください。基本的にはそれぞれの位置が極力離れるように設置すると、ほこりやちりを吸い込みやすくなります。暖かい空気は上昇、冷たい空気は下降する性質があるため、その点も考慮するとより効率が良くなるはずです。

フィルターを掃除する

空気清浄機は、基本的に汚れがフィルターにひっかかることで空気がきれいになるため、定期的な掃除が必要です。フィルターが汚いと、付着した汚れによって空気の循環が邪魔され、運転効率が悪くなります。汚れたままの状態で使用を続けず、定期的に掃除をすることで、空気清浄機の性能を維持できるでしょう。運転効率が上がるため、電気代の節約にもつながるはずです。

掃除の方法や頻度は、メーカーや種類によって異なります。目安としては1~2週間に1回程度、できるだけ小まめに掃除するのがおすすめです。掃除方法はメーカーのホームページや説明書できちんと確認し、フィルターを傷つけたり吸入口を壊してしまったりしないように気を付けましょう。

なお空気清浄機のフィルターは、基本的には徐々に機能が落ちていく仕組みです。数年ごとに交換が推奨されているものもあるため、必要に応じてメーカーの指定した期間で取り換えるようにしてください。

加湿機能を使う場合は暖房の設定温度を下げる

空気清浄機の加湿機能を使う場合は、暖房の設定温度を下げましょう。

湿度と体感温度は関係しており、湿度が高いときは体感温度が高くなり、湿度が低いときは体感温度も低くなりやすいです。そのため、加湿機能を使っている間は暖房の設定温度を下げても暖かく感じられる傾向があります。

環境省によると、暖房の設定温度を1度下げた場合、電力消費量は約10%削減されるそうです。空気清浄機の加湿機能を使うとその分の電気代はかかりますが、エアコンの温度を上げるよりもトータルの電気代を抑えられる可能性があります。

※参考:環境省.「家庭のエネルギー事情を知る エアコンの使い方について」.https://www.env.go.jp/earth/ondanka/kateico2tokei/energy/detail/06/ ,(2025-04-28).

空気清浄機をはじめとした電気代を見直しましょう

空気清浄機は電気代が比較的かからない家電です。しかしながら長い目で見れば一定の金額が必要となるため、少しでも節約したいという方も多いでしょう。本記事でご紹介した方法を、ぜひ実際に試してみてください。

また節約を意識するのであれば、空気清浄機だけでなく、家全体でかかっている電気代を見直すのもおすすめです。

近年ではさまざまな料金プランから、自分たちが使用する電力会社を選べるようになっています。自分たちに合った料金プランにすることで、電気代を大幅に下げられたり、特典によってお得になったりするケースもあるかもしれません。

例えばTERASELでんきなら、1kWh当たりの電気代がお得な他、月々の電気代に応じて自分の好きな特典がもらえます。楽天ポイントやAmazonギフト券、Apple Gift Cardなど6つの特典があるため、普段使っているサービスに合わせて選べます。料金のシミュレーションもWeb上で簡単に行えるので、ご自宅の場合はどのくらいお得になるのか、ぜひチェックしてみてください。

この記事を書いた人

野中 康平
野中 康平マーケティング室 室長
大学在学中、発展途上国でのボランティア活動がきっかけで
伊藤忠エネクスに入社。
入社後は一貫して電力ビジネスに携わり、電力ビジネス領域における大規模システム構築を実現。
電力のスペシャリストとして電力ビジネスの拡大に尽力している。
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