投稿日:2025/04/01
更新日:2025/03/26
でんきの節約術
暮らしに欠かせない電化製品ですが、それぞれの製品で電気代がどのくらいかかるのかを計算することはあまりないでしょう。電気代の目安を把握した上で使い方を工夫すれば、無理なく電気代の削減が可能です。特に消費電力が1,000Wの電化製品は、稼働時間や使い方によって毎月の電気代が大きく変わります。
本記事では、1,000Wの電化製品の電気代の目安や、製品別の節約術をご紹介します。電気代が高くて悩んでいる方や節電したいと考えている方は、ぜひ参考にしてみてください。
※本記事の内容は2025年3月時点の情報です
目次
まずは消費電力が1,000Wの電化製品の電気代の目安を見ていきましょう。電気代を算出するには、以下の計算式を使用します。
電力量料金単価は契約している電力会社によって異なりますが、ここでは全国家庭電気製品公正取引協議会が公表している目安単価である、31円/kWh(税込)で計算します。
1,000Wの電化製品を使用する時間が、1分・1時間・1週間(1日1時間使用想定)・1カ月(30日換算、1日1時間使用想定)の場合の電気代の目安は以下の通りです。
上記から分かる通り、1,000Wの電化製品であっても1日1時間程度の使用なら、毎日稼働させても電気代が高くなるわけではありません。
しかし、使用時間が長くなったり複数の電化製品を使用していたりすると、上記の電気代よりも高くなってしまいます。一度ご家庭で使用している電化製品を洗い出し、それぞれの消費電力や使用時間、使用頻度などをまとめてからシミュレーションをすると、具体的にどのくらい電気代がかかっているか分かるでしょう。
※参考:公益社団法人 全国家庭電気製品 公正取引協議会.「よくある質問」 .https://www.eftc.or.jp/qa/ ,(2025-03-10).
消費電力が1,000Wの代表的な電化製品は、以下の通りです。
ただし、これらの電化製品全てが1,000Wというわけではありません。あくまで消費電力が1,000Wのケースが多い製品というだけなので、1,200Wのオーブントースターや800Wの掃除機もあります。そのため電気代を計算する際は、事前にご家庭で使っている電化製品の消費電力を確認しておきましょう。
なお、ほとんどのエアコンは、冷房時と暖房時で消費電力が変わります。具体的な消費電力を知りたい場合は、製品本体に貼り付けられたシールや取扱説明書に記載されている内容を確認してみてください。
ここからは、製品別に電気代の目安を見ていきましょう。エアコンは設定温度に達するまでフルパワーで運転し、設定温度に達すると室温を維持する運転に切り替わります。最大消費電力と最小消費電力の差が大きいため、本記事では、消費電力の平均が1,000Wであると仮定して、シミュレーションをします。消費電力の平均が1,000Wのエアコンの電気代の目安は以下の通りです。
<1日当たりの電気代の目安>
夏や冬はエアコンを朝から夜まで使うご家庭も多いので、長時間使用することを見込んで1日当たりの電気代を算出するのがよいでしょう。
以下では、1,000Wのエアコンを毎日使った場合の1カ月(30日換算)当たりの電気代の目安をご紹介します。
<1カ月当たりの電気代の目安>
上記から分かる通り、暑い時期や寒い時期にエアコンを長時間使用していると、毎月の電気代が数万円かかってしまう可能性もあります。また冬場にエアコンの他に、こたつやファンヒーターといった他の暖房器具を使っている場合、それぞれの電気代がかかってしまうことを認識しておきましょう。
一方で、夏場にエアコンとサーキュレーターや扇風機を併用する場合、電気代を節約できる可能性があります。詳細については以下の記事をチェックしてみてください。
サーキュレーターと扇風機の違いとは? おすすめの使用シーンや選ぶときのポイントをご紹介
エアコンの電気代を節約するコツをご紹介します。毎日の生活で簡単に実践できるものが多いので、ぜひ試してみてください。
エアコンの消費電力は、設定温度と外気温の差によっても変動します。例えば、暑い日に帰宅して「すぐにでも部屋を涼しくしたい」という思いから、エアコンの設定温度を極端に低く設定する方もいるかもしれません。例えば外気温が30度の場合、設定温度を18度にしてしまうと温度差が10度以上になるので、消費電力が大きくなり電気代が高くなってしまいます。
環境省は、快適に生活しつつも省エネを実現できる室温として「夏季は28度、冬季は20度」を推奨しています。またエアコンの設定温度を1度外気温に近づけるだけでも、以下のように消費電力は変わります。
快適さを感じられる範囲で設定温度を外気温に近づけるようにすると、電気代の節約になるでしょう。
※参考:環境省.「エアコンの使い方について」 .https://www.env.go.jp/earth/ondanka/kateico2tokei/energy/detail/06/ ,(2025-03-12).
エアコンの風量は「弱・中・強・自動」というモードで調整できます。節電をしようとして、エアコンの風量を常に「弱」に設定している方も多いですが、この方法は逆効果です。
常に風量が弱いと、エアコン内にある熱交換器を通る空気の量が減り、空気の熱を取り除くのに時間がかかります。時間がかかるとその分電力が消費される時間が長くなってしまうので、電気代が高くなるのです。
エアコンをつけたタイミングでは風量を「自動モード」に設定し、一気に設定温度に近づけた方が電気を効率的に使えるため、消費電力を抑えられる上に電気代も削減できます。
空気には「暖かい空気は上にたまり、冷たい空気は下にたまる」という性質があります。そのため、夏場は足元だけがひんやりし、冬場は天井付近しか暖まらないという経験をしたことがある方も多いでしょう。このような温度のむらがあると暑さや寒さを感じやすく、エアコンの設定温度をより低く・より高く調整する羽目になってしまいます。結果として電気代がかさんでしまうでしょう。
温度むらを解消するには、サーキュレーターを併用するのがおすすめです。サーキュレーターとは、強力な風を直線的に送ることができる電化製品です。サーキュレーターを使えば空気を効率よく循環させられるので、部屋の温度を均一化できます。
サーキュレーターの適切な置き場所や、サーキュレーターを併用することでどのくらい電気代が節約できるかは、以下の記事をチェックしてみてください。
サーキュレーターの効果的な置き場所は? 冷房・暖房・換気などシーン別に徹底解説
一般的なエアコンは、室内機と室外機で構成されています。室内機では空気を吸い込んで、熱交換器やフィルターを通して風を送り出しており、室外機ではファンや冷媒によって熱の送り込みや放出を行っています。
室内機のフィルターが目詰まりしていると空気を十分に吸い込めず、室温調整を効率的に行えません。空気を吸い込もうとして余計な消費電力が増えるので、電気代が高くなってしまいます。
目詰まりを防ぐために、エアコンのフィルターは2週間に1回を目安に小まめに掃除するのがおすすめです。なお、ほこりやごみが付着している程度であれば、掃除機でほこりを吸った後に水洗いするだけで十分です。油汚れやカビが付着しており水洗いだけだときれいにならない場合は、中性洗剤を使って洗いましょう。
室外機が障害物やごみで塞がれていると、うまく放熱できない状態になってしまいます。結果、エアコンの稼働効率が下がって消費電力が増え、電気代が高くなってしまいます。
節電をしたいなら、室外機の周辺は常に整理しておくようにしましょう。室外機から障害物やごみを遠ざけるために、専用のカバーやフェンスを使うのも一つの方法です。
消費電力が1,000Wのオーブントースターの電気代の目安は、以下の通りです。
<1日当たりの電気代の目安>
食パンを焼くだけならオーブントースターの使用時間は短く、電気代も高くなりません。しかし、ケーキやクッキーなどを焼く際にはまとまった時間が必要なので、あらかじめ電気代がどのくらいかかるのか把握しておきましょう。
1,000Wのオーブントースターを毎日使った場合の、1カ月(30日換算)当たりの電気代の目安は以下の通りです。
<1カ月当たりの電気代の目安>
オーブントースターの電気代を節約するコツをご紹介します。
オーブントースターの消費電力は、庫内の大きさによっても異なります。サイズが大きいほど、消費電力も高くなることが一般的です。1人暮らしや2人暮らしで、オーブントースターで調理する量が少ない場合は、小型のものに買い替えると消費電力を抑えられ、電気代の削減につながります。
料理をする際に何回もオーブントースターを使うと、トータルの使用時間が長くなり電気代が高くなってしまいます。例えばグラタンとトーストを焼く際に、グラタンを焼くのに1回、トーストを焼くのに1回使用すると2回分の調理時間がかかってしまいます。
調理する量が少ない場合は、オーブントースターの左にグラタンを、右にトーストをのせてまとめて調理するようにしましょう。オーブントースターの使用時間を短縮できるので、電気代の節約につながります。
オーブントースターを使った後は、一定時間余熱が残ります。オーブントースターを使った後に焼き加減が甘く、さらに数分程度加熱したい場合は、庫内に食品を置いておくことで余熱で火を通せる可能性があります。余熱を有効活用すれば、電気を使う必要がないので電気代がかからず節約になるでしょう。
1,000Wの掃除機の電気代の目安は、以下の通りです。
<1日当たりの電気代の目安>
掃除機をかける頻度は、ご家庭によっても異なります。以下では、1週間に掃除機を3日・5日・毎日かける場合の1カ月(30日換算・4週間)の電気代を見ていきましょう。1回当たりの使用時間は30分とします。
<1カ月当たりの電気代の目安>
毎日掃除機をかけたとしても、1回当たりの使用時間が1時間を超えることは少ないため、1カ月当たりの電気代もそこまで高くはならないでしょう。
掃除機の電気代を節約するコツをご紹介します。
一般的な掃除機は「弱・中・強」といったように吸引力を調整できます。例えば、強モードでは1,000W、弱モードでは200~300Wといったように、吸引力が高いほど消費電力も大きくなります。
カーペットやラグはほこりや髪の毛が絡まりやすいため、強モードでしっかり吸引するのがおすすめです。一方でフローリングや畳は、弱や中モードでも問題なくごみを吸い取れるケースが多いです。掃除機をかける場所に応じて吸引力を調整することで、電気代を削減できるでしょう。
掃除機は電源を入れるときに特に消費電力が大きくなります。そのため掃除中に何度も電源をオン・オフすると消費電力が増えて、電気代が高くなってしまいます。
掃除中は、なるべく掃除機の電源を切らないようにしましょう。一度コンセントを抜かないと掃除機が届かない場合は、延長コードを利用することで電源を切らずに掃除を続けられます。また床に物が置いてある場合は事前に片付けておくとスムーズに掃除機をかけることができ、電源のオン・オフが少なくなるでしょう。
掃除機をかける際に、ノズルを前後に素早く動かす行為はやめましょう。動作があまりにも速すぎると、ほこりやごみをうまく吸い取れません。
掃除機をかけるときは勢いよくノズルを動かすのではなく、力を入れずにゆっくりと動かすことがポイントです。数秒かけて1往復するくらいのスピード感で掃除機をかけると、効率良く吸引でき、電気代の節約につながります。
掃除機のノズルにはさまざまな形状のものがあるので、掃除をする場所に合わせてノズルを入れ替えるのもおすすめです。例えば、広範囲を掃除したいならT字ノズル、家具の隙間のごみをかき出したいならブラシノズル、狭い場所やサッシの掃除をしたいなら細口ノズルといったように使い分けると、掃除機の使用時間が短くなります。
掃除機以外にも、床のごみやほこりを取り除くためのさまざまなアイテムがあります。全ての場所で掃除機を使用しようとせず、以下のように場所ごとに掃除アイテムを切り替えるのも節電の一つです。
上記に挙げたアイテムを使用すれば、その分掃除機をかける時間が減り、電気代の削減につながります。
掃除機の内部でごみやほこりが詰まると吸引力が下がり、掃除の時間が長引いてしまいます。掃除機をかける時間が長くなるほど電気代も高くなるため、節電のためには小まめにお手入れすることが大切です。
製品によってもお手入れ頻度は異なりますが、掃除ごとにお手入れが必要なものもあれば、月に1回程度で問題ないものもあります。適切なお手入れ方法や頻度については、お使いの掃除機の取扱説明書やWebサイトを確認しましょう。
電気ポットは、一度に大量のお湯を沸かして保温できる電化製品です。お湯を沸かす際と保温する際で消費電力は異なりますが、関東電気保安協会によると、お湯を沸かす際は1,000W、保温する際は35Wであるケースが一般的です。ここでは1,000Wでお湯を沸かす場合と35Wで保温する場合の、電気代の目安をご紹介します。
<1日当たりの電気代の目安(1,000Wでお湯を沸かす場合)>
<1日当たりの電気代の目安(35Wで保温する場合)>
毎日電気ポットでお湯を沸かす場合の、1カ月(30日換算)当たりの電気代の目安は、以下の通りです。
<1カ月当たりの電気代の目安(1,000Wでお湯を沸かす場合)>
<1カ月当たりの電気代の目安(35Wで保温する場合)>
電気ポットでお湯を沸かす時間は短いので、1,000Wとはいえそこまで電気代はかかりません。なお、お湯を沸かすだけではなく保温する場合は、その分の電気代がかかることを認識しておきましょう。
※参考:関東電気保安協会.「電気ポットの省エネ」 .https://www.kdh.or.jp/safe/energy_saving/estimation/pot.html ,(2025-03-12).
電気ポットの電気代を節約するコツをご紹介します。
先述した通り、電気ポットにはお湯を沸かす機能と沸かしたお湯を保温する機能があります。電気代を節約したいなら、保温機能を使うのはなるべく避けましょう。
保温する際の消費電力は35W程度であることが一般的ですが、製品によっても異なります。前項でご紹介した電気代より高くなることもあるでしょう。なるべく電気ポットの保温機能の使用は控え、沸かしたお湯は保温ポットに移し替えるのがおすすめです。
電気ポットでお湯を保温したい場合は、設定温度を低めにしておくことが節約のポイントです。電気ポットの設定温度を高く設定していると、お湯の温度を保つために何度も再沸騰が行われます。お湯を沸かす際は1,000Wの消費電力がかかるので、電気代が高くなってしまうのです。
お茶やコーヒーといった飲み物用にお湯を沸かした場合は80度程度、料理用にお湯を沸かした場合は90~98度程度といったように、用途に応じて設定温度を調整しましょう。
電気ポットは使用していないときでも、待機電力がかかることが一般的です。待機電力がかかるとわずかではありますが、電気代もかかります。
電気ポットを使用しないときは、コンセントからプラグを抜いておくようにしましょう。プラグを抜き差ししやすい場所に電気ポットを置いておくと、抜き忘れが減るのでおすすめです。
電気ポットの中には、タイマー機能が搭載されているものもあります。お湯が沸騰する時間を指定できるので、帰宅時間や起床時間に合わせてタイマーを設定しておけば、沸騰してすぐにお湯を利用できます。保温をする必要がなくなるので、電気代を削減できるでしょう。
エアコンやオーブントースター、掃除機、電気ポットなど、消費電力が1,000Wの電化製品は数多くあります。1,000Wの電化製品は消費電力が比較的大きいので、使用頻度や使用時間によっては、電気代が高くなってしまいやすいです。
電気代を節約したい場合は、本記事でご紹介した節約術を実践してみてください。また無理なく電気代を抑えたいなら、現在契約している電力会社を切り替えるのも一つの方法です。
エネクスライフサービスが提供する「TERASELでんき」では、以下の4つの料金プランをご用意しています。
ライフスタイルや電気の使い方に合わせて料金プランを選べるので、無理なく電気代を削減できるでしょう。Web上で電気料金のシミュレーションもできるので、節約したい方はお気軽にお試しください。
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