非化石証書はいつから?非化石価値や証書の種類・意味をわかりやすく解説 | 【公式】TERASELでんき総合情報メディア

非化石証書はいつから?非化石価値や証書の種類・意味をわかりやすく解説

投稿日:2022/11/08

更新日:2022/11/16

でんきの豆知識




家庭の太陽光発電で余剰電力を売電している場合、FIT制度の終了後に買取価格が大幅に下落する問題で、頭を悩ませている方は少なくありません。

今後の買取先を検討する際に、電力会社のホームページでよく目にするキーワードの一つが、
「非化石証書」です。

この記事では、非化石証書とはいったい何か、どのような仕組みで温室効果ガス削減に関わっているのか、また非化石証書にはどのような種類があるのかなど、全体像を解説します。

卒FITの買取先を検討している方はぜひ参考にしてください。

※記事中に記載されている数値や金額は、いずれも2022年9月時点の情報です。

この記事を書いた人

野中 康平マーケティング室 室長
大学在学中、発展途上国でのボランティア活動がきっかけで
伊藤忠エネクスに入社。
入社後は一貫して電力ビジネスに携わり、電力ビジネス領域における大規模システム構築を実現。
電力のスペシャリストとして電力ビジネスの拡大に尽力している。

非化石証書とは


非化石証書の全体像を具体的に把握するために、概要や導入の背景、導入の目的、スタート時期などを解説します。

概要

非化石証書は、電気小売業者が提供する電力のうち化石燃料で発電された電力を切り離し、非化石エネルギー源を用いて発電された電力そのものの環境価値を示す証書です。

エネルギー供給構造高度化法(以下「高度化法」)により、小売電気事業者には非化石電源比率を2030年度までに44%以上にする義務が課せられました。

小売電気事業者は非化石証明を購入することで、自社が化石燃料を使用して発電する際に排出する二酸化炭素を含む温室効果ガスの削減を実行している事実を証明できます。

導入の背景

非化石証書が導入された背景には、世界的に深刻化している地球温暖化や環境破壊の問題があります。

原因の一つとされている温室効果ガスを減らすために、排出量削減のノルマが世界各国に課せられています。

排出量削減の有効な手段として認知されているのが、再生可能エネルギーの活用です。

しかし、日本では再生可能エネルギーによる発電コストが割高であるため、普及が伸び悩んでいます。

高度化法は、そうした再生可能エネルギーを用いた発電と、再生可能エネルギー由来の電力利用の促進を目的に制定されました。

いつから始まる?

非化石証書の制度は、企業のクリーンエネルギー利用の推進を目的に2018年5月から導入され、JPEXと呼ばれる日本卸電力取引所にある非化石価値取引市場において、小売電気事業者の間で売買がスタートしました。

2021年11月からは需要家や仲介業者などの小売電気事業者以外の入札参加も可能になっています。

なお、一般企業は非化石証書の購入に参入できないため、非化石証書を購入している小売電機業者から電気を購入して、再生可能エネルギー由来の電力利用への取り組みを証明しなければなりません。

詳しい仕組みは後ほど解説します。

非化石証書の種類


非化石証書には、発電にどの再生可能エネルギーを電源として使用するかで、3つの種類が定められています。

それぞれの概要や特徴を詳しく解説していくため、確認してみてください。

FIT非化石証書(再エネ指定)

FIT制度(固定価格買取制度)では、再生可能エネルギーで発電された電力を、一定期間にわたり固定金額で買い取ることを国が保証しています。

このFIT制度で指定されている再生可能エネルギー、つまりFIT電源に由来する電力の証書が「FIT非化石証書(再エネ指定)」です。

温室効果ガスの排出量が少ないため、環境負荷が少ないという環境価値を示すもので、FIT電源には太陽光や風力、地熱、小水力、バイオマスなどが含まれます。

非FIT非化石証書(再エネ指定)

FIT制度で指定されていない再生可能エネルギーに由来する電力の証書を指します。2020年から新たに取引対象として加えられました。

FIT制度に指定されていない電力、またはFITの指定期間が終了した電力(卒FIT電気)が含まれます。

FIT非化石証書(再エネ指定)と同様、温室効果ガスの排出が少なく、環境負荷が少ないという環境価値を示すものです。

非FIT非化石電源には、大型水力などが含まれます。

非FIT非化石証書(指定無し)

化石燃料由来ではないものの、「再生エネルギー表示価値」を持たない発電方法による電力であることを示す証書です。主に原子力発電が該当します。

確かに原子力発電は化石燃料ではないため温室効果ガスの排出は抑えられるものの、発電過程で自然界に有害な使用済み核燃料が排出されるのは避けられません。

日本国内の使用済み核燃料は貯まり続ける一方で、すでに保管場所が逼迫している状況です。そのため、非FIT非化石電源は、非化石燃料とはまた異なる意味での環境負荷が大きいエネルギー源とみなされます。

非化石証書は電力会社によって売買される

非化石証書は日本卸電力取引所(JEPX)主催の取引所で購入できます。

小売電気事業者のなかには、そもそも再生可能エネルギーを用いた発電施設を持たない業者もあり、そうした場合は高度化法で課せられた義務の達成は困難です。

そのため、非化石証明の購入を通じて、再生可能エネルギーの発電に関わる運営や普及に関わる実施質的な経費を負担することで、高度化法で定められた基準を満たしていると証明できます。

ただし、一般企業は非化石証書市場での取引には直接関わることができません。

代わりに非化石証書を購入した小売電気事業者との間で電力供給契約を結ぶことで、CO2排出量削減に貢献している企業とみなされます。

社会に対しては、SDGsや地球環境保全への取り組みとして、温室効果ガスの大幅削減に成功しているという成果をアピールすることも可能です。

非化石証書を購入するとどうなる?


前述のとおり、小売電気事業者には「2030年までに非化石電源比率を44%にする」と、高度化法で定められた義務が課せられています。

ところが、再生可能エネルギーを使用した発電の仕組みがない小売電気業者にとっては履行困難です。

そこで非化石証書の購入を通じて、高度化の義務を履行したものとみなされます。

その際は、3種類ある非化石証書のうち、環境不可が少ない価値を証明できる「再エネ指定」の証書を選ぶ必要があります。

小売電気事業者が購入した非化石証書は、購入した分だけ「販売する電気の発電過程で出された温室効果ガスの排出量の削減に貢献した」成果の証明になります。

温室効果ガスの排出量を削減できるほど、より環境に配慮した電気料金プランを一般家庭や企業に提供できるようになるのです。

FIT電気には非化石価値がない


FIT制度で購入された電気は、非化石電源で発電された電気ではあるものの、非化石の価値はありません。

FITの高い買取価格の原資となっているのは、電気を利用する消費者が負担する再生可能エネルギー発電促進賦課金(再エネ賦課金)です。

消費者が毎月支払う電気料金とともに負担している再エネ賦課金が、FIT制度を支えています。

そのためFIT電気の非化石価値はあくまで消費者に帰するものとみなされ、FIT制度の下で買い取った電力に関しては、小売電気事業者が非化石価値を主張できません。

FIT電気には、あくまで電力そのものの価値しかないことを意味します。

非化石証書を利用した環境に優しい電気料金プラン

非化石証書を利用した電気料金プランの例を紹介します。

  • 東京電力エナジーパートナー【アクアエナジー100】

水力発電所で発電された電気に、非FIT非化石証書(再エネ指定あり)を100%使用した再生可能エネルギー電気を供給するプランです。

アクアエナジー100|料金プラン紹介|東京電力エナジーパートナー株式会社

  • 九州電力【再エネECO極(きわみ)】

水力・地熱などの再生可能エネルギー電源に由来する電気に、非FIT非化石証書(再エネ指定あり)を使用して、再エネ価値およびCO2フリー価値を付加したプランです。

九州電力 再エネECO極(きわみ)

  • EGM・EGR【エバーグリーンプラン】

FIT電気に非化石証書を組み合わせることで実質的に再生可能エネルギーを提供し、CO2排出係数をゼロにするプランです。

料金プラン | 法人のお客さま | EGM・EGR

  • 京葉ガス【非化石価値付電気料金プラン】

非化石証書を京葉ガスが購入することによって、 CO2排出が実質ゼロとなるプランです。

非化石価値付電気料金プラン|電気料金プラン|京葉ガス

  • 関西電力【再エネECOプラン(低圧)】

関西電力で主契約をすることによって、再生可能エネルギー由来の非化石証書の持つ環境価値を付加された電気が得られる電気料金メニューです。

再エネECOプラン(低圧)|電気|関西電力 個人のお客さま

まとめ

非化石証書は、非化石電源で発電された電力を供給することによる温室効果ガス削減の環境価値を示す証明です。

非化石証書には使用する非化石電源の種類に応じて3つの種類があり、水力や風力、バイオマスなどの再生可能エネルギーを電源として使用している電力の証書は「再エネ指定」に該当します。

非化石証書は電気事業者の間で売買されており、小売電気事業者は非化石証書の購入を通じて、再生可能エネルギー由来の電力普及と温室効果ガス削減に貢献している根拠を立証しています。

そうした取り組みが、より環境に優しい電力プランの提供、さらには地球環境保全へとつながっていくのです。

参考URL

https://netzeronow.jp/hikasekishosyo-advantage/#index_id9
https://selectra.jp/environment/guides/renewable-energy/hikaseki#%E9%9D%9E%E5%8C%96%E7%9F%B3%E8%A8%BC%E6%9B%B8%E3%81%A8%E3%81%AF%EF%BC%9F
https://energy-shift.com/navi/66cd90d9-ab03-45e1-80ec-96750a2f7703
https://www.greenpeople.co.jp/column/7339/
https://gurilabo.igrid.co.jp/article/2399/
https://www.enecho.meti.go.jp/about/special/johoteikyo/hikasekishousho.html

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