ファンヒーターの電気代を安くしたい!選び方や節約のコツをご紹介

投稿日:2021/12/27

更新日:2022/01/17

でんきの節約術

最低限しか使っていないつもりなのに、冬の電気料金が予想よりも高くて驚いた経験はありませんか。

冬は寒さをしのぐために暖房器具を使用することで電気料金が高くなる時期です。

寒いからと気にせずに暖房器具を使用していると、想像以上に電気を使用して、電気料金がかかってしまいます。

電気料金を節約するためには、暖房器具にどのくらいの電気料金がかかっているのかを把握することが大切です。さまざまな種類がある暖房器具の中でも、部屋全体を暖める暖房器具としてファンヒーターを使用しているご家庭も多いでしょう。ファンヒーターを使用すると、電気料金はどのくらいかかるのでしょうか。

この記事ではファンヒーターの特徴や電気料金、節約するためにはどのようなことに気をつけたら良いのかについて解説します。ほかの暖房器具との電気料金の比較もご紹介するので、冬の電気料金が高くてお悩みの方はぜひ参考にしてみてください。

なお、本記事の情報は2021年9月時点での情報になります。
最新の情報は各公式ページをご参考ください。

この記事を書いた人

野中 康平
野中 康平マーケティング室 室長
大学在学中、発展途上国でのボランティア活動がきっかけで
伊藤忠エネクスに入社。
入社後は一貫して電力ビジネスに携わり、電力ビジネス領域における大規模システム構築を実現。
電力のスペシャリストとして電力ビジネスの拡大に尽力している。

ファンヒーターの特徴と電気代は?

ファンヒーターは「電気ファンヒーター」「ガスファンヒーター」「石油ファンヒーター」の3種類です。

すべて部屋を暖めるために使われますが、使用するエネルギー源によって分けられ、それぞれ電気料金やエネルギーにかかる費用が異なります。

ここでは使用するエネルギー別に各ファンヒーターの特徴や電気料金を解説。電気料金は「1時間あたりの消費電力(kW)」×「1kWhあたりの電気料金単価(円)」の式で算出し、1kWhあたりの電気料金単価は27円とします。

電気ファンヒーターの電気代

電気ファンヒーターは電気をエネルギー源として部屋を暖める暖房器具で、代表的なのは「セラミックファンヒーター」です。セラミックファンヒーターは特殊加工を施したセラミックを使用した発熱体に電気を通して熱を発生させ、ファンで暖かい風を部屋に送ることで部屋全体を暖めます。比較的コンパクトで置き場所を選ばず、狭い場所でも置くことが可能なため、使い勝手が良いと感じている方も多いのではないでしょうか。

セラミックファンヒーターの消費電力(※)は「強」で1200Wほど、「弱」で550Wほどです。
「強」で1時間使用した際の電気料金は以下の式で求められます。
「1.2kW」×「27円」=「32.4円」

続いて「弱」で1時間使用した際の電気料金を求める式は以下です。
「0.55kW」×「27円」=「14.85円」

セラミックファンヒーターを1時間使用した際の電気料金はそれぞれ「強」で32.4円、「弱」で14.85円でした。電気を主に使う電気ファンヒーターは電気料金が高くなりやすいです。

出典:仕様 / 寸法 | HX-PS1 | プラズマクラスター電気暖房機:シャープ
https://jp.sharp/danbou/products/hxps1/spec/

石油ファンヒーターの電気代

石油ファンヒーターは灯油を燃焼させたときに発生する熱を室内に送る暖房器具で、短時間で部屋を暖められるのが特徴。熱を送るために使用するファンに電気を使っています。
木造10畳、コンクリート造13畳対応の石油ファンヒーターの消費電力は「強」で9.5W、「弱」で4Wです。(※1)それぞれの電気料金を以下のように計算します。

まず「強」の場合の電気料金は以下です。
「0.0095kW」×「27円」=「0.25円」

次に「弱」の場合の電気料金は以下の式で求められます。
「0.004kW」×「27円」=「0.1円」

電気料金は安いですが、石油ファンヒーターの場合は電気料金とは別に灯油料金が必要です。灯油料金は「1時間あたりの灯油消費量(L/h)×1Lあたりの灯油料金(円/L)」で求められます。
暖房出力最大3.6kWタイプの石油ファンヒーターを「強」で使用した場合の1時間あたりの灯油消費量は0.34L/h。(※2)2021年9月24日現在の1Lあたりの灯油料金は97.8円/Lです。(※3)よって石油ファンヒーターの灯油料金は以下の式で求められます。
0.34L/h×97.8円/L=33.25円

石油ファンヒーターの光熱費は「強」で使用した場合の灯油料金33.25円と電気料金0.25円を合計した33.5円です。

1 出典:製品詳細|WZシリーズ|石油ファンヒーター|株式会社コロナ(FH-WZ3621BY)
https://www.corona.co.jp/heating/fanheater/wz/lineup.html#wz3621by
2 出典:CORONA石油ファンヒーター 4つのメリット|石油ファンヒーター|株式会社コロナ
https://www.corona.co.jp/heating/fanheater/point/index.html
3 出典:調査の結果|石油製品価格調査|資源エネルギー庁(9月24日(金)結果概要版)(2021年9月26日利用)
https://www.enecho.meti.go.jp/statistics/petroleum_and_lpgas/pl007/results.html調査の結果|石油製品価格調査|資源エネルギー庁

ガスファンヒーターの電気代

ガスファンヒーターはガスを燃料として発生させた熱をファンで部屋に送ります。主なエネルギー源はガスですが、石油ファンヒーターと同じくファンを動かすモーターに電気が必要です。ガスには都市ガスとプロパンガスの2種類があり、それぞれの熱量の違いからガスファンヒーターはガスの種類によって使い分けなくてはいけません。購入の際は使用しているガスに対応しているか必ず確認しましょう。

ガスファンヒーターの消費電力は18Wほどです。よって1時間使用した際の電気料金は以下の式で求められます。
「0.018kW」×「27円」=「0.48円」

ガスファンヒーターを1時間使用した場合の電気料金は0.48円でした。電気を主に使う電気ファンヒーターと比べると電気料金は安いですが、ガスファンヒーターの場合は電気料金のほかにガス料金もかかるため注意が必要です。

続いてガス料金ですが、今回は東京ガスの都市ガスを使用した場合のガス料金を計算します。ガス料金の計算式は「1時間あたりのガスの消費量(kWh)」×「3.6MJ/h」÷「1立方メートルあたりの標準熱量(MJ/立方メートル)」×「1立方メートルあたりのガスの単位料金(円/立方メートル)」です。ガスの消費量は暖房能力から計算します。

ガスファンヒーターを1時間使用した場合の消費量は4.07kWhです。(※1)東京ガスでは「13A」のガスが用いられており、1立方メートルあたりの標準熱量は45MJ/立方メートル。(※2)ガスの単位料金は20立方メートル~80立方メートルの130.46円/立方メートルとします。(※3)
よってガス料金を求める式は以下です。
「4.07kWh」×「3.6MJ/h」÷「45MJ/立方メートル」×「130.46円/立方メートル」=「42.47円」

ガス料金を計算すると約42.47円でした。これに電気料金0.48円を足した42.95円がガスファンヒーターの光熱費です。

1kWh=3.6MJ/h
1 出典:暖房しながらお部屋の空気を浄化、プラズマクラスター技術搭載のガスファンヒーター。 - リンナイ
https://rinnai.jp/products/living/fan_heater/standard_spec
2 出典:都市ガスの種類・熱量・圧力・成分|東京ガス
https://home.tokyo-gas.co.jp/gas/userguide/shurui.html
3 出典:ガス料金表(家庭用/業務用・工業用 共通)|東京ガス株式会社
https://e-com.tokyo-gas.co.jp/ryokin/Default.aspx?tik=1

ファンヒーター選びのポイント

ファンヒーターにかかる費用を解説しましたが、各ファンヒーターにはその特徴が生きる場面があります。電気料金などの光熱費だけではなく使用する場面に合わせて使い分けることで快適に過ごすことができるでしょう。
ここではファンヒーターを選ぶときのポイントについて解説します。

狭い場所で使いたいなら「電気ファンヒーター」

電気ファンヒーターの特徴は軽量で小型なところです。持ち運びが簡単なので、好きな場所に置いて暖がとれます。ほかのファンヒーターに比べて広い部屋全体を暖める力は弱いですが、狭い部屋や手足を温めたいときにはおすすめです。電源を入れればすぐに暖まるので、脱衣所やトイレなどに置けば少しの間でも寒さをしのぎたいときに役立つでしょう。

エアコンの風が届かないところには「石油ファンヒーター」

石油ファンヒーターは広い部屋を全体的に暖めたいときやエアコンの風が届かない場所で活躍します。石油ファンヒーターは持ち運びもできるため、キッチンなどエアコンでは暖まりにくい場所に設置するのがおすすめです。エネルギー源として灯油を使用するためほかのファンヒーターと比べて火事の危険性が高い点や給油が必要な点に注意しましょう。

短時間で部屋を暖めたいときは「ガスファンヒーター」

ガスファンヒーターは特に短時間で部屋全体を暖めるのに向いています。特徴は石油ファンヒーターに似ていますが、ガス用ホースをつないでガスを供給するため持ち運びには向きません。しかし給油の手間はないため、石油ファンヒーターの給油が面倒と感じている方におすすめです。

ほかの暖房器具との電気代比較

冬に活躍する暖房器具として、ファンヒーター以外にも電気毛布や電気ストーブ、エアコンなどが挙げられます。暖房器具を使用すると電気料金が増えるため、なるべく節約したいものです。
ここではそれぞれの電気料金はどのくらいで、ファンヒーターと比べて費用がかかるのかについて解説します。暖房器具の見直しをお考えの方は参考にしてみてください。

電気毛布との比較

電気毛布はファンヒーターと違い部屋全体を暖めるのではなく、冬に冷たくなった布団を温める暖房器具です。布団を温めるだけでなく、ひざ掛けとして使用すれば体を温めることができます。今回は日中に暖をとることを目的として使用した場合を想定して、設定温度「弱」で使うときの1時間あたりの電気料金を計算してみましょう。

電気毛布(※)を「弱」で使用したときの消費電力は33Wです。よって以下の式で電気毛布の電気料金が求められます。
「0.033kW」×「27円」=「0.89円」

電気毛布を1時間使用した場合の電気料金は0.89円でした。ファンヒーターの光熱費よりも安く抑えられますが、部屋全体を暖めることはできないため、ほかの暖房器具と併用して全体の電気料金を抑えるのに役立てると良いでしょう。

出典:電気かけしき毛布(シングルMサイズ) DB-R31M 取扱説明書 | 電気毛布 | Panasonic
https://panasonic.jp/manualdl/p-db/db/db-r31m_r31ms_rm3m_01.pdf

電気ストーブとの比較

電気ストーブは電気を通したヒーターから赤外線を放射し、赤外線が当たった部分を直接温める暖房器具です。電気毛布と同じく部屋全体を暖めるのではなく、体を温めるのが特徴。小型で持ち運びがしやすく、価格の安いものが多く販売されているため、気軽に取り入れられるでしょう。しかし消費電力は「強」で800W、「弱」で400Wと高い傾向にあります。実際に1時間あたりの電気料金を計算してみましょう。

「強」で1時間使用した場合の電気料金は以下です。
「0.8kW」×「27円」=「21.6円」

「弱」で使用した場合の1時間あたりの電気料金は以下の式で求められます。
「0.4kW」×「27円」=「10.8円」

よって電気ストーブを「強」で使用したとしても、光熱費はファンヒーターよりも安いです。しかし電気ストーブは赤外線が当たることで体を温めるので、赤外線が当たらない場所を温めることはできません。手足を温めたい場合など局所的に暖がとりたいときに使用しましょう。

出典:電気ストーブ ホワイト IEH-800W H568675│アイリスプラザ│アイリスオーヤマ公式通販サイト
https://www.irisplaza.co.jp/index.php?KB=SHOSAI&SID=H568675

エアコンとの比較

エアコンはファンヒーターと同様に部屋全体を暖めたい場合に活躍します。冬の寒さ対策に使用している方も多いのではないでしょうか。効率的に部屋を暖めるには部屋の広さに適したエアコン選びが大切です。電気を多く使うイメージのあるエアコンの電気料金を計算してみましょう。

10畳用のエアコン(※)の消費電力は690Wで、1時間あたりの電気料金を計算する式は以下です。
「0.69kW」×「27円」=「18.63円」

エアコンの電気料金は1時間あたり18.63円でした。電気料金はファンヒーターの光熱費よりも安いですが、エアコンは部屋の上部に設置されているため、暖かい空気が上部に集まりやすくなります。エアコンで暖をとる際にはサーキュレーターなどを併用することで効率的に部屋を暖めることができるでしょう。

出典:2021年モデル Xシリーズ | 商品一覧 | エアコン | Panasonic
https://panasonic.jp/aircon/products/21x.html#feature

ファンヒーターは早く暖めたいときに活用する

電気毛布や電気ストーブ、エアコンなどのほかの暖房器具の電気料金をファンヒーターの光熱費と比較したところ、ファンヒーターの方が費用が高いことが分かりました。費用だけを見ると、ファンヒーターは使わない方が良いと考える方もいるかもしれません。

しかし、ファンヒーターは今回比較した暖房器具よりも部屋全体を早く暖めるのに優れています。ほかの暖房器具では一度冷えてしまった部屋を暖めるのに時間がかかりますが、ファンヒーターであれば、ほかの暖房器具を使うときよりも早く暖をとることができるでしょう。

ファンヒーターの電気代を節約する5つのコツ

比較的電気料金などの光熱費が高いファンヒーターの出費を抑える方法はあるのでしょうか。
ここではファンヒーターの電気料金などを節約するコツについて解説します。すぐにできることもあるので、できることから取り入れてみてください。

フィルターをこまめに掃除する

ファンヒーターにはエアコンと同様にフィルターがあります。エアコンのフィルターは掃除をしていても、ファンヒーターのフィルターは見落としている方もいるかもしれません。掃除機で大きなほこりを吸い取ったあと、ぬるま湯でしっかりと洗って乾かせば、ファンヒーターの暖房性能を最大限に生かせるでしょう。

窓の近くに置く

窓を閉めていても、冷気は窓から伝わってきます。ファンヒーターを窓の近くに置くことで、ファンヒーターが窓からの冷気を暖めて部屋に送ってくれるため、部屋全体を効率的に暖めることが可能です。

窓から遠い場所にファンヒーターを設置すると、ファンヒーターから送られた暖かい空気が天井付近を通り、窓の近くに来たときに冷気により冷やされます。冷やされた空気は床に降りてくるので暖かさを感じにくく、暖房効率が悪くなるため、ファンヒーターを置くなら窓の近くがおすすめです。

ほかの暖房器具と一緒に使う

ほかの暖房器具と一緒に使うことでファンヒーターの電気料金を抑えることができます。ファンヒーターは部屋全体を早く暖めるのに適しているため、最初に部屋が暖まるまで使用して、室温が安定したらエアコンなどの比較的電気料金が安い暖房器具で室温を一定に保つようにすれば、全体の電気料金を抑えることができるでしょう。

設定温度を低くする

特に電気ファンヒーターは室温の維持も電気を使って行います。機種よってですが、設定温度を「強」から「弱」にすることで1時間あたり約17.55円の節約が可能(※)です。はじめは「強」で部屋を暖めて、ある程度室温が一定になったら、設定温度を低くすることで電気料金を節約できます。

消費電力「強」で1,200W、「弱」で550Wのセラミックファンヒーターを使用した場合。
「強」で1時間使用した際の電気料金「1.2kW」×「27円」=「32.4円」
「弱」で1時間使用した際の電気料金「0.55kW」×「27円」=「14.85円」
設定温度を「強」から「弱」にした場合の1時間あたりの節約額「32.4円」-「14.85円」=「17.55円」

出典:仕様 / 寸法 | HX-PS1 | プラズマクラスター電気暖房機:シャープ
https://jp.sharp/danbou/products/hxps1/spec/

適切な電気料金プランを選ぶ

電気料金が高いとお悩みであれば、ご家庭の電気料金プランの見直しもおすすめです。寒い日には暖房器具を使わなければ快適に過ごすことは難しいでしょう。電気料金を節約しようとして暖房器具の使い方を見直しても、ある程度の出費は発生します。そのためご家庭の電気料金プランを見直し、ライフスタイルに合っているものに変更することが電気料金の節約に効果的なのです。

2016年4月からはじまった電力小売自由化によりご家庭で電力会社が自由に選べるようになりました。各電力会社がさまざまな電気料金プランを提供しているため、ご家庭に合った電気料金プランを探してみてください。

電気の使用量が多いなら超TERASELでんきプランがおすすめ!

ファンヒーターは寒い部屋でも素早く暖めることができるため、冬に活躍する暖房器具です。電気ファンヒーターはほかの暖房器具よりも電気料金が高くなりやすく、石油ファンヒーターやガスファンヒーターは電気料金はかからないものの、灯油料金やガス料金など別途費用がかかります。しかしほかの暖房器具と併用したり、電気料金プランを見直したりすることで電気料金を抑えることが可能です。

電気料金を節約したいからと寒い冬に暖房器具を使わないようにすることは難しいでしょう。電気の使用量が多くてなかなか減らせないという場合には、電気の使用量が多いほどお得になる「超TERASELでんきプラン」がおすすめです。現在の電気料金プランから変更すると、年間で27,912円も電気料金が安くなるかもしれません。(※1)TERASELでんきでは電気料金プランを変更するとどのくらいお得になるのかが分かる料金シミュレーションをご用意しております。(※)検針票(電気ご使用量のお知らせ)不要で簡単にできるので、ぜひ確認してみてください。

出典:「料金プラン」たくさん使う方ほどお得 | TERASELでんき
https://www.terasel.jp/charge/

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