一人暮らしの電気代の平均(世帯別・季節別・地域別)は?基礎知識と節約のコツも解説

投稿日:2022/10/14

更新日:2022/10/17

でんきの比較

初めての一人暮らし。
自由な新生活にワクワクすると同時に、家賃や光熱費などの固定費の重さに直面する時でもあります。
家賃は引越さないかぎり下げられませんが、光熱費だけでも節約したいものです。

今回は電気のスペシャリストが、一人暮らしの電気代について解説。
電気代の相場から基礎知識、節約のコツまでを紹介しますので、電気代を抑えたい方はぜひ参考にしてください。
どれだけお得か今すぐチェック 料金シミュレーション

この記事を書いた人

野中 康平
野中 康平マーケティング室 室長
大学在学中、発展途上国でのボランティア活動がきっかけで
伊藤忠エネクスに入社。
入社後は一貫して電力ビジネスに携わり、電力ビジネス領域における大規模システム構築を実現。
電力のスペシャリストとして電力ビジネスの拡大に尽力している。

一人暮らしの電気代、平均は6,333円

総務省の家計調査によると、単身世帯の電気代の平均は、6,333円。4人世帯の平均が10,705円であることを考えると、一人暮らしの電気代はかなり割高だと言えます。
地域別、季節別も詳しく見てみましょう。

※総務省「家計調査(家計収支編)」―調査年月:単身世帯2022年4~6月、2人以上世帯2022年6月

地域別平均

地域 電気代 水道・光熱費
北海道・東北 6,882円 15,569円
関東 6,491円 11,816円
北陸・東海 6,684円 12,679円
近畿 5,370円 10,965円
中国・四国 7,033円 12,595円
九州・沖縄 5,254円 10,923円

※総務省「家計調査(家計収支編)」―調査年月:2022年4~6月

一般的には「都会の方が物価が高い」と言われますし、都道府県別の消費者物価指数を見ても東京都、神奈川、京都がTOP3になっています。
しかし電気代に関しては、中国・四国地方、北海道・東北地方、北陸・東海地方の順で高く、その原則は当てはまりません。

また、表には参考までに水道・光熱費(電気代も含む)を入れました。ガス代、水道代もそれぞれ地域差がありますし、北海道・東北は寒さの残る時期で灯油代なども含まれますので、電気代だけの順位と水道・光熱費合計の順位は異なります。

季節別平均

シーズン 2019年 2020年 2021年
春(4~6月期) 5,175円 5,916円 4,990円
夏(7~9月期) 5,059円 5,330円 5,131円
秋(10~12月期) 5,184円 5,135円 5,200円
冬(1~3月期) 7,123円 6,535円 6,641円

※総務省「家計調査(家計収支編)」―調査年月:2021年7月~2022年6月

季節別で見ると、冬が最も高いです。電気代は実際に使ってから請求まで1~2ヶ月ズレることもありますが、暖房を使う時期が最も高くなるということです。
2000年代初めまでは、冬に次いで夏が高くなる傾向がありましたが、今は冬以外の順位は年によって違います。

【補足】リモートワークの電気代は、確定申告できる?

一人暮らしでリモートワークをしている方は、「在宅時間が長くなったせいで増えたコストを確定申告して少しでも取り戻したい」と考えるかもしれません。

しかし残念ながら、会社員がリモートワークのために生じた経費を確定申告するのは難しそうです。法律的には特定支出控除という制度があるものの、確定申告するための経費の額のハードルが非常に高いためです。

例)
年収300万円:49万円以上
年収500万円:72万円以上
年収700万円:90万円以上

電気代以外の光熱費やWi-Fiなどの通信費、労働環境を整えるためにデスクやチェアを購入しても上記を超えることはほぼないでしょう。

一人暮らしの電気代まとめ


電気代の基礎知識


電気代の節約を考える前に、電気料金の基本をおさらいしておきましょう。

電気代(電気料金)は、毎月固定でかかる「基本料金」と、使用量によって変動する従量料金(電力量料金、再生可能エネルギー発電促進賦課金)で決まります。
燃料費調整単価は、発電に必要な石炭や液化天然ガス(LNG)などの燃料の輸入価格の変動によって変わるもの。原料が高騰すると燃料費調整単価も高くなります。

一人暮らしでできる節約のコツ

ここからは、具体的な節約方法のご紹介に移ります。
少し意識するだけで簡単にできることも多いので、ぜひ実践してください。

契約アンペアを変更する


関西・中国・四国・沖縄以外の地域では、契約アンペア(A)が選べます。
一般的には、

  • 1~2人暮らし:30A(基本料金858円)
  • 2~3人暮らし:40A(基本料金1,144円)
  • 4~5人暮らし:50A(基本料金1,430円)

「契約アンペアが大きいほどブレーカーが落ちにくい」「契約アンペアが小さいほど基本料金が安い」という理解でOKです。
アンペアを下げるだけで月200~300円ほど電気代が下がります。アンペアの変更は無料ですので、一度明細票で確認してみてください。

但し、ドライヤー、電子レンジ、トースター、電気ポットといった消費電力の大きな電化製品を同時使用する習慣がある場合は、一人暮らしであっても30Aでは足りないかもしれないので注意が必要です。

※基本料金は東京電力の従量電灯Bプランの場合

生活スタイルに合わせた料金プランにする

リモートワークで昼間でも家にいるようになったのに、夜の電気代が安い代わりに昼は割高なプランのまま…なんてことがあると、かなりもったいないです。定期的に電力プランを見直すようにしましょう。

また、夜の電気代が安いプランなら洗濯は夜にするなど、可能な範囲で自分の生活をプランに合わせるとより効果的です。

エアコン(冷暖房)で節約


節約のために冷暖房を我慢すると、生活の快適さが大きく損なわれます。
「できるだけ使わない」ではなく「賢く使う」工夫が必要です。

エアコンのフィルターをこまめに掃除する

エアコンのフィルターは月1~2回は掃除するようにしましょう。フィルターが汚れていると効きが悪くなり、電気代も高くなります。
自動お掃除機能付きでも、月1回は手入れするようにしてください。

設定温度は夏は28℃、冬は20℃を基準にする

不快なのを我慢してまで守る必要はありませんが、夏は28℃、冬は20℃を基準にし、冷やしすぎたり温めすぎたりしないようにしましょう。

消費電力の低い冷暖房器具を活用する

エアコンの冷房を弱めにして扇風機やサーキュレーターで空気を循環させる、冬はできるだけエアコンを使わずホットカーペットやこたつにするのも節約効果があります。

除湿を使い分ける

エアコンの除湿機能には、以下の2種類があります。

  • 弱冷房除湿:部屋を少し冷やしながら湿度を下げる
  • 再熱除湿:室温を下げずに湿度を下げる

弱冷房除湿で冷房より安く、再熱除湿は冷房より高いので、使い分けを意識しましょう。通常の除湿モードは弱冷房除湿、再熱除湿は“さらさら除湿”や“カラッと除湿”といったボタンであることが多いです。

遮熱カーテンや断熱シートを使う

外気温の影響を受けやすい部屋の場合、冷暖房の効きが悪くなってエアコンの消費電力も大きくなります。窓から熱気や冷気が入ってこないように、遮熱カーテンや断熱シートを使うのもおすすめです。

冷蔵庫で節約


一人暮らし用の冷蔵庫は小さいから電気代も安いと考えがちですが、実は省エネ効果が高いのはファミリー用の高価格帯の冷蔵庫。一人暮らし用の200L以下の冷蔵庫より、ファミリー向けの600Lの冷蔵庫のほうが電気代が安いこともあります。
とはいえ年間で1000円くらいの差ですから、電気代節約のために高額の大きな冷蔵庫を買う必要はありません。

  • ドアの開け閉めの回数を減らす
  • ドアを開けっ放しにしない
  • こまめに冷凍庫の霜取りをする
  • 冷凍庫はできるだけぎゅうぎゅうに詰める
  • 冷蔵庫は詰め込みすぎない

といった基本を守って使ってください。

その他の節約ポイント

一人暮らしでできる節約術はほかに、

  • 不在時は照明を消す
  • 電球をLEDに変える
  • 小さめのテレビを選ぶ

などがあります。

照明はわかりやすいと思いますが、意外と知られていないのがテレビの消費電力。液晶が大きいほど消費電力が大きくなります。

■節約のコツをもっと知りたい方はこちら

【2022年9月最新】一人暮らしの電気代平均は6,000円!電気代を節約する11の方法をご紹介

節約効果の大きい、電力会社の乗り換え


ご紹介したように電気代節約のコツはたくさんありますが、大幅な節約を目指すなら電力会社を乗り換えるのもおすすめです。
大手電力会社の通常プランから乗り換えると節約額は大きいですし、すでに新電力を使っている場合でも、乗り換え特典で割引やポイント付与があるとかなりお得になります。
集合住宅で大家さんが一括徴収しているようなケースを除き、自由に変更できますので検討してみてください。

どれだけお得か今すぐチェック 料金シミュレーション

関連記事

人気の検索キーワード